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2018年12月

2018/12/31

盛りだくさんの1年~2018年のしめくくり

 2018年最後の1週間は、片付ける端から積み上がる仕事に辟易しながら慌ただしく過ぎた。これは25日に調子に乗って終電間際まで酔っぱらっていた私自身に起因するものでもあるのだが、ともかく年内に片付けたいと思っていた仕事は、仕事納めの28日の夜遅くになっても片付かず、結局、翌29日の土曜日も出勤する羽目になった。


 思えばここ数年で、今年ほどいろいろな出来事があった年も少ないように思う。
 1月には転勤の内示を受け、2月1日付で4年間続いた単身赴任の旭川から札幌へ戻った。仕事の内容も、営業系から総務系にほぼ180度変わった。大半が社内相手の調整業務で、言葉は悪いがつまらない仕事ではある、全くの素人である私にはしんどい仕事でもあるのだが、逆にこれまでに見聞きすることのなかった業務や、接点のなかった人たちとの交流をある種楽しみつつ、「仕事の鮮度」に支えられながらなんとか1年近くを過ごしてきた。


 2月初旬に学校のスケート教室で氷上を滑走しないで空中を飛行して骨折した上の坊主は、その後いったんギプスを外すことができたが、成長期のさなかだったためか、折れた2本の骨がアンバランスに伸び、8月に再度入院して手術をおこなった。今も定期的に診察とリハビリに通っているが、手術の生々しい傷痕以外はほぼ普段通りの生活に戻った。ちなみに、骨折を理由に滞っていた勉強の意欲が回復する兆しはない


 その我が家に、シンガポールからのお客様、T君がやって来たのが6月。家族以外の誰かが我が家に長期間滞在したのは初めてであり、当然ながら外国人のおもてなしも初めてであった。何しろ口数の少ない少年で、同じ事業でホームステイを受け入れた周囲の親御さんからも「大変でしょう」と言われたのだが、よくよく思い出してみれば、10年前にボストンでホームステイした際の私も似たようなものだったことに思い至れば、さほど苦だとは思わなかった。


 趣味の方では、7月、8月と2度の遠征の結果、自身の46回目の誕生日に鉄道全線完乗を達成できた。これについては、興奮のあまりこれまでにも数限りなく書いてきたのでここでは多くを書かない。だが、現地での立会も含め、友人知人、そしてブログ上でもたくさんの方からお祝いをいただいたことについては、重ねてお礼を申し上げたいと思う。


 そしてもうひとつ。忘れてならないのが、9月6日の北海道胆振東部地震である。最大震度7の猛烈な地震は厚真町を中心に41人の方の尊い命を奪い、北海道全域にブラックアウトという未曽有の電源喪失をもたらした。これについても、数多くの方からご心配をいただき、感謝に堪えない。
 災害といえば、7月の旅行の際にも、中国・四国地方を襲った豪雨に行く手を阻まれた。ここしばらく、豪雨災害の話を聞かない年がない。災害は身近なものとして、物心ともに備えをしておかなければならない、ということを実感した年になった。


 今年1年、皆さんに駄文にお付き合いいただいたこと、また、鉄道完乗へのお祝い、地震に際してのご心配に対し、今年一番お気に入りの写真とともにお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

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(2018.8.18 五能線 追良瀬~驫木間)



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2018/12/25

JR北海道「維持困難線区」は何処へ【9】札沼線末端区間廃止決定とJR北海道の現況

Photo  JR北海道は12月21日、札沼線・北海道医療大学-新十津川、47.6kmの廃止を届け出た。同区間は2020年5月7日をもって廃止となることが決定した。JR北海道の閑散区間廃止では、石勝線支線(新夕張-夕張)に次ぐ決定である。


 以前の記事の中でも触れた、JR北海道の2017年度の線区別収支と利用状況によると、この区間の輸送密度は前年度からさらに9人減の57人/km/日と、各区間の中ではぶっちぎりの最下位である。営業費用の減少と区分の見直しにより、営業損益は若干改善したものの、3億1,400万円の赤字となっている。


 この区間に対し、JR北海道は代替交通機関の整備と損失補てんのために、総額約18億円の支援をおこなう。鉄道運営の赤字の6年分に相当する金額で、うち約15億円は今後20年間にわたって支出される。この数字は沿線自治体にとっては「満額回答」ともいえる回答だが、その一方で支援する側のJR北海道は、国からの財政支援を受けてなお、2022年には資金ショートに陥るとされており、何とも不思議というか、アンバランスな話である。


 ちなみに、JR北海道全体での輸送密度は、2016年度と比較して79人減の5,122人/km/日となった。線区別にみると、札幌を中心とする4方向(札幌-苫小牧、岩見沢、北海道医療大学、小樽)の近郊輸送がいずれも前年を上回っている。また、石勝線・根室本線(南千歳-帯広)、根室本線(滝川-富良野)、富良野線が前年を上回っている。これらは、前者の場合は一昨年の災害による長期運休の影響からの回復、後者はインバウンド需要増加の影響によるところが大きいのではないかと思う。


 これ以外の路線は軒並み前年から輸送密度は減少している。北海道新幹線が前年比2割減となったことは前にも書いたが、この影響を受けた函館本線・室蘭本線などの接続線区にも大きな影響を与えている。このこと自体は予想されたことではあるが、どうにも腑に落ちないのが、存廃問題を突きつけられた13区間のうち、先に挙げた根室本線(滝川-富良野)と富良野線を除く11区間で軒並み低下していることである。


 11区間のうち3区間は、廃止が決定した札沼線(北海道医療大学-新十津川と、災害による運休、バス代行が続く根室本線(富良野-新得)、日高本線(鵡川-様似)である。いずれも輸送密度が200人/km/日を下回っており、置かれている状況そのものが、鉄道以外の手段による代替が可能だということを暗黙の裡に示している。


Dscn0029  問題はこれ以外の8区間である。宗谷本線(名寄-稚内)で約3%、石北本線(上川-網走)で約7%の減少は、合理化のための特急系統分割の影響も受けていると考えられるが、それ以外の区間も少ないところで約3%、留萌本線や根室本線(釧路-根室)に至っては3割以上の大幅減となっている。全体人口も、鉄道の主たる利用者である通学需要も減少傾向にある背景は理解できるが、それはそれとして減り過ぎである。存続に向けた地元の思いが伝わってこないように感じるのは私だけだろうか。


 先ごろ発表された2019年3月のJR北海道ダイヤ改正の概要では、北海道新幹線の青函トンネル部の速度向上により、東京-新函館北斗の最速所要時間が4時間を切ることになった。しかし、4分程度の短縮がシェアの引き上げ、収支改善につながるかどうかは疑わしい。函館市中心部まではアクセス列車に乗り換えて4時間半近くかかる状況は変わらず、札幌方面への接続も相変わらず悪い。降雪等による遅れの影響をほとんど受けない下り列車でも、乗り継ぎ時間は最短16分、最長では42分にもなる。「新幹線接続特急」とは言い難い。


Dscn1185  また、石勝線・追分-新夕張で、普通列車の半分を削減し、1日上下5本となる。比較的乗降の多い追分・新夕張に停車する特急を増加させることで一部をカバーするが、普通列車は通学等に絞った最小限の運転となる。この区間は3年前の普通列車大量削減の際にも対象となっており、3年前との比較で普通列車は3分の1になった。こうした区間が、今後ますます増えてくる可能性もある。


Dscn6266  鵡川以遠の災害運休が続く日高本線については、沿線7町長による協議会で、日高門別-様似間95.2kmの廃線を受け入れ、鵡川-日高門別間20.8kmについては、鉄道による復旧を引き続き求めていく方針で合意したと先日報じられた。
 しかし、のちに浦河町長が「あくまで全線の復旧を求めていく考え」と述べるなど、方向性は定まり切っていない。加えて、鵡川-日高門別では先日の地震の影響で線路設備に新たな損傷が確認された。この区間だけでも復旧には2年の工期と5億円の費用がかかるとされ、ハードルはさらに一段高くなった。


 札沼線が「満額回答」を得て廃止を受け入れたことは、これ以外の対象路線の交渉にも少なからず影響を与えると思われる。協議を引き延ばせば、それだけ経営が悪化するJR北海道の財布の紐が固くなる可能性も否定できない。それならばなるべく早く、と、沿線自治体が動き出す可能性もある。
 
沿線自治体もJR北海道も厳しい現実を突きつけられている。年が明ければ石勝線支線の廃止も迫る。引き続き今後の動きからは目が離せない。

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2018/12/17

年の瀬の出来事~爆発事故に思う

 昨日、たまには小難しい記事でも書こうかとPCを立ち上げて、私は初めて札幌で起こった惨事に気が付いた。


 事件は昨夜8時半ごろである。場所は地下鉄南北線・平岸駅近く、国道453号線(通称:平岸街道)に面した居酒屋、不動産仲介店、整骨院が入る雑居ビルが突然爆発した。この時の音は、現場から遠く離れた東区や中央区でも、雷鳴のごとく聞いた人がいるという。
 私の自宅からはおよそ7~8kmほど離れているが、この一帯は、私が大学生時代、毎週2ないし3回アルバイトのために通ったあたりで、現在でもしばしば車で通るところである。


 発生直後からTwitterなどのSNSには、報道各社や近隣住民が撮影した写真が絶え間なくアップされていた。不動産仲介店は跡形もなく、まさに「吹き飛んだ」といった様相で、隣の居酒屋も天井が崩落して原形をとどめていない。かろうじて整骨院が姿を保っているが、一帯は瓦礫の山と化している。


 不動産仲介店と細い通りを1本挟んで立つロイヤルホストは、私が学生時代、時間潰しでしばしばお世話になったところだが、こちらの窓ガラスも粉々である。それどころか、片側2車線プラス中央分離帯のある広い平岸街道を挟んだマンションの窓ガラスも全滅である。今日たまたま私の会社に来た取引先の営業所もこの近くにあり、やはり道路に面したガラスはすべて割れたという。猛烈な威力である。これから寒さがひときわ厳しくなる時期、近隣の住宅なども含めて広い範囲で生活に影響が出ることになるだろう。


 一夜明けてニュースが伝えた現場の状況は凄惨をきわめた。怪我人は重傷者を含めて40人を超え、私の友人の友人も現場に居合わせて、火傷や足を折る怪我をされたそうである。だが、現場の映像を見る限り、負傷者の方には申し訳ない表現かもしれないが、この状況で命を落とす方が出なかったことが奇跡とも思えるほどである。


 事件から1日が経過し、爆発原因の特定が進んでいるようである。スプレー缶のガスの充満が引火原因との報道があり、当事者の証言もあることから断定される可能性が高いと思うが、その一方で現場となったビルの防火管理体制の不備も指摘されている。私自身、業務上、ビルの防火管理者に選任されていることもあり、このあたりは他人事ではない。面倒な仕事ではあるが、ひとたび何かが起こった時、その原因が何であれ、防火体制の不備は厳しく糾弾されることになる。


  そういえば札幌では、今年1月にも自立支援住宅で11人が死亡する火災があった。直前まで当たり前の生活を送り、当たり前に時間を楽しんでいた人々に、一瞬にして悲劇は訪れる。決して別世界の話ではない。なんともやるせない年の瀬になってしまったなあ、と思う。


 負傷された方々の一刻も早い快癒と、心の安定が戻ることを切に願う。


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2018/12/10

鉄道完乗こぼれ話【4】下世話な話ですが、お金。

 鉄道乗りつぶしの話に関してもうひとつよく聞かれる、というか、興味を持ってくれた人の大半が気になるらしいのが、「いくらかかりましたか?」という費用面の話である。実は私もその点については非常に気になっているのだが、実際のところいくらくらいかかったのか、ということを精査したことはない。


 そもそもこの話については、どこからどこまでを費用とみるか、など、難しい話が多い。前回の修学旅行の話がそうだったように、私がこれまでに乗車した鉄道の中には、私の意思と無関係に乗ったところや、出張の結果乗車済みになったところ、あるいは出張や家族旅行などの際に「ついでに」乗ったところも多い。当然そこへ行くまでには費用も発生しているわけだが、少なくとも飛行機代に関する限り私が身銭を切っているわけではない。


 その飛行機代にしても、ここ何年かの大半の遠征については、貯めたマイルで交換した「特典航空券」で飛ぶことが多い。もちろん、そのために私は、単身赴任時代の公共料金の支払から、コンビニでのこまごました買い物に至るまで、ありとあらゆる場面でカードを駆使し、しこしことマイルを貯めてきた。ボーナスマイルを貯めるために余計な年会費を払っていたりするので、これが交通費にカウントできないわけではないが、厳密な意味で交通費と言えるかどうかは疑わしい。


 では、例えば1回の遠征でどのくらいの費用が掛かっているか、となると、これも何処へ出かけて何に乗るか、による。
 JR線が中心の乗りつぶし旅で、「青春18きっぷ」や地域のフリーきっぷでおおむね賄える時期やエリアであれば、現地交通費は1万円から2万円程度である。遠方だったり別払いの切符代がかさむ地方の私鉄が多い時などは、これに加えて1~2万円程度は余計にかかる。


 この他に宿泊代がかかるわけだが、そもそも鉄道に乗ることが目的なので高い投資はしない。この年になるとさすがにネットカフェとかサウナで夜明かしをすることは稀になったが、大半が5,000円以下のビジネスホテルである。中にはハズレもあったり、buzzっちさん(←懐かしいお名前)に「そこは多分『出る』部屋だ」などと脅されたりする訳あり物件だったりするのだが、ブログのネタになるようなひどい部屋に当たった経験は少ない。


 これらに食費などその他こまごまとした費用を含めると、1回3泊4日あたり3~6万円程度、と導き出される。それはけっこうな金額ですね、などと言われることもあるが、基本年1回の趣味に投資する金額としてこれがさほど高いとは私は思っていない。


 例えばゴルフの好きな友人などは、1年間(北海道の場合実質半年)で20ラウンド以上する。最近ではセルフプレイのコースが増えて、平日なら5,000円以下、休日でも1万円以下というところもある。だがそれでも回数が20回に及べば、1回単価5,000円としても10万円にはなる。私の旅行2回分である。5年ごとにクラブを買い替えるとして道具への投資は年2万円近い。私の重要なツールである時刻表は1冊1,100円程度。1年毎月買い続けてもお釣りが来る


 ただ、この趣味は30年超の歴史を持っており、1988年の初めてのひとり旅が4日間で約5万円だった。以来、1989年夏の北陸・紀伊半島4日間が約6万円、1990年春の九州一周2週間が約18万円だった。お年玉に加えて、当時高校の唯一の公認バイトだった年賀状配達で稼いだお金を握りしめて旅立ったのが懐かしい。
 大学卒業時の日本一周の際は、現地調達分も含めて1か月で約40万円の費用を要している。これも塾講師時代、冬期講習をフル回転したバイト代を全部突っ込んでいる。


 社会人になってから、「乗るための旅」に出たのは、2006年以降9回。これで約50万円。ここまでの積み上げでも120万円に達する。これに「ついで」の乗り歩きやこまごましたものを加えると、正確には出せないが、普通車1台分くらいの金額にはなっているのではないかと思う。いずれ落ち着いたときに、一度ちゃんとはじき出してみたい気はする。


 ただ、「全線完乗」の定義づけの迷走もあり、九州へ3回、四国へ2回など、同じ所へ何度も行き来しているので、費用は相当にかさんでいる。真剣に乗りつぶしだけを目的に効率的に乗り歩けば、おそらく費用はこの半分程度で済むのではないかと思うが、先日の五能線の例もあるように、季節や天候を違えれば全く違う風景に会うことも少なくない。これはこれで楽しめたと思っている。この投資額を果たしてどうとらえるか、は、これまた人それぞれではないか、と思う。


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2018/12/06

親子です。

 先日、下の坊主の小学校で学習発表会があった。
 下の坊主は6年生になるので、今年が最後の発表会である。上の坊主の時から通算9年足を運んだ小学校の発表会も最後である。


 どこの学校もそうなのかはわからないが、最近の小学校の発表会は、子供たちを公平に扱うためなのだろう、劇をやると、約30分の劇中、主役を交代で4~5人の子供が演じる。その他の役も同様で、わが校の場合は1学年およそ60人の子供たちに均等に出演機会とセリフを与えるようになっている。ひと握りの優秀(または強運)な子供が華やかな役を演じる一方で木の役だとか石ころの役などというしょぼい役回りを演じる子供たちもいた私たちの時代とはずいぶん違うものである。


 そういった中で、どういうわけかうちの坊主は、出番は短いが演じ切りの役を引き当てることが多い。あるいは本人がそれを狙っているのかもしれないが、そういうことになっている。ちなみに彼は過去2年、劇中の本筋とはあまり関係のないお笑い芸人の役を演じた。2年前の漫才は見ていて切なくなるほどウケなかったが、昨年のショートコントは、私個人の中では先日の霜降り明星の何倍も面白かった


 その彼が今年演じた役はペテン師。ストーリーの詳細は省くが、出番1回きりのピン役である。雑踏の中でサイコロ振りで町行く人々を騙してお金を巻き上げる、という、どうかと思うような役回りである。
 だが実際に演じた彼の姿はなかなかのもので、にこにこ笑いながら、お姉さんお姉さん、ちょっと勝負していかない?などと声をかけ、カップの中でサイコロを振る仕草なども実にさまになっている。


 結局劇中では、主人公にインチキを見破られ、町の人たちから非難を浴びて逃げ出すことになるのだが、それがばれた際、ペテン師の坊主が町の人々に取り囲まれて、
いかさまだ!こいつはいかさまだぞ!おい!いかさま
と罵声を浴びせられるシーンがあった。
 私はそのシーンで、おいおい、親子そろっていかさまかよ、と、ひとり勝手にツボに入って大爆笑することになった。


 ちなみに、「勉強を頑張る!」と宣言した5分後にはベッドにうつぶせになって漫画を読み、「10分で部屋を片付ける!」と豪語して半日経っても部屋の足の踏み場がないなど、下の坊主は実生活においても正真正銘のペテン師である



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2018/12/02

新函館北斗駅の憂鬱

 所用で仙台まで出掛ける用事があり、特急「スーパー北斗」と東北・北海道新幹線「はやぶさ」を乗り継いで行ってみた。その際、新函館北斗での乗り継ぎに時間の余裕を持たせて、先日の鉄道完乗の日にじっくり観察できなかった新函館北斗駅に降りた。


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 函館の北、北斗市の大野地区に設けられた新函館北斗駅。この位置にはもともと、普通列車の一部だけが停車する無人駅、渡島大野駅があった。函館から先、札幌に向けて延伸工事がおこなわれる北海道新幹線において、地形的に袋小路となる函館市への駅設置は現実的でなく、この位置になったわけだが、このことが当初から仮称「新函館」として計画されていた新幹線駅名をめぐる、函館市と北斗市の激しい綱引きにつながった。

 ⇒「新函館よ、どこへ行く」


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 駅そのものは、在来線4線、新幹線2線の比較的コンパクトな構造である。在来線1・2番線と新幹線11番線の間は階段を上り下りすることなく乗換可能になっている。乗り換えに要する時間は、新幹線ホームから遠い3・4番線からでも5分程度だろう。ただし大量の乗換客で混雑した先日の体験もあり、時期によっては10分程度の余裕が必要になる。


 もともと在来線・新幹線ともに本数が少ないこともあり、列車ダイヤは接続を考慮して組まれているが、雪による列車遅延などが多い地域特性からか、札幌方面、函館方面ともに乗り換え時間は余裕を持って組まれている。
 ただ、駅構外へ出てのんびり土産物の物色や飲食をしているほどの余裕はない。


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 正面に相当する駅南口の周辺の開発はあまり進んでいない。駅前には郵便局と、主要レンタカー会社の営業所が並ぶ程度で、商業ビルなどの姿はなく、新青森に輪をかけて寂しい。隣接する北斗市観光交流センター内には、土産物屋や軽飲食店など10店ほどが入店しているが、土曜日の正午前後になっても客の姿はまばらである。新青森駅構内のショップ街が多くの客で賑わっていたのとは対照的である。


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 反対側の北口はこれをさらに上回り、小さなロータリーの目の前には田んぼや畑が広がり、民家さえ少ない。改札へ向かう長く、広い階段を通る人はなく、寂しさだけが募る。
 函館の市街地を大きく離れており、しかも札幌延伸までの仮の終着駅を宿命づけられているためだろう、企業や商業施設の誘致は進んでいないようである。終着駅、というよりは、新幹線と在来線の単なる乗換駅、といった風情で、ある種往年の千歳空港駅(現在の南千歳駅)に通ずるものがある。


 JR北海道が去る11月9日に公表した、2017年度の線区別輸送概況によると、北海道新幹線の輸送密度は、前年度の5,638人/km/日から約2割減の4,510人/km/日となった。この数値はJR北海道全体の平均輸送密度を下回る水準である。営業収入の減少に加え、保守費用などの増加もあり、共通管理費を含めた営業損失は前年度から45億円悪化し、99億円に達した。JR北海道全体の鉄道営業損失の2割近くを占め、線区別では最大である


Dscn1128  JR北海道は先頃、貨物列車とのすれ違いの安全確保のために最高速度を140kmに制限している青函トンネルについて、最高速度を160kmに引き上げ、東京-新函館北斗の最短所要時間を3時間台に短縮すると発表した。鉄道と飛行機のシェア逆転のボーダーラインの内側に入ってくることになるのだが、結局乗り継ぎで函館方面へは30分余計にかかるわけで、劇的に鉄道利用シェアが伸びるとは思えない。札幌延伸まで予定ではあと12年。北海道新幹線と新函館北斗駅の将来像は、まだ描けない。


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