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2019/08/14

熊出没注意 リターンズ


Arashi021
 世はあげてお盆休みである。遠くへ行ったお子さん一家が久々に戻ってきて、一緒にお墓参り、という光景もあちこちで見られる時期である。しかるに今、札幌では先日、そのお墓参りをなるべく控えるように、という、珍しいお達しが市から出されていた。
 その舞台は私の住む南区である。札幌市中心部から定山渓方面へ向かって車で40分ほどの藤野・簾舞地区で、ここ1週間ほど、ヒグマの目撃情報が相次いでいる。


 札幌市におけるヒグマの目撃および痕跡の発見情報は、そのおよそ9割が南区に集中している。札幌市がまとめた出没情報件数(目撃情報と痕跡発見情報の合計)は、2011年の254件をピークとして減少傾向にあったが、2017年度頃から再び増加傾向にある。2018年度の出没情報件数は137件で、うち南区が123件となっていた。


 ところが今年は8月12日現在ですでに158件(うち南区148件)を数え、しかもそのうちの30件は8月に入ってからのものである。特にここ1週間はクマも人間慣れしたのか、ついにお日様の下堂々と民家の庭先に出没するという事態に至った。夏休み中とはいえ付近には高校もある。また、近くには墓地も複数箇所ある。
 このため、札幌市は藤野地区の墓地への墓参りを自粛するよう異例の呼びかけをおこなった。それでも墓参する人の中には、「いざというとき(逃げるとき)のために」スニーカーを履いてきた、などという、冗談にもならないコメントまで飛び出している。


 藤野地区の住宅街に毎日のように出没していたクマは同一の個体とみられており、警察などが警戒を強める一方、市では箱罠を設置したり、地元猟友会によるパトロールなどもおこなわれていた。つい先日は、家の勝手口から外の様子を窺うおばあさんの姿と、そのわずか数メートル横の家の陰をうろつくヒグマ、そして「家の中に入って!鍵を閉めて!」と促す警察の姿がニュースで流れた。
 14日の早朝、このヒグマは藤野地区の山中で猟友会によって射殺された


 そのこと自体の是非をここで問うても仕方がない。動物愛護団体からは抗議もあるだろう。実際、クマが出没している一帯や、あるいは私が住んでいるところも含めて、ここ30~40年ほどの間に宅地開発が進んだところである。そういう意味ではもともとクマをはじめとする自然界の動物たちの住居であったところに人間が侵食していった結果であり、一方的にそれを排除する人間の身勝手に対する批判はわからないでもない。


 だがそれは外野の意見であって、当事者の意見ではない。
 私だって無辜のヒグマの命を奪うようなことはない方がいいに決まっていると思っているのだが、自分の生活圏の目と鼻の先にヒグマが現れる環境下で、そのような悠長な綺麗事を述べる自信は、少なくとも私にはない。なにしろ我が家の近く、半径数kmでも、ここ数年クマの目撃情報は何度かもたらされている。角々に保護者が立ち、集団登校で粛々と学校へ通う子供たちの姿を見ると、実に申し訳ないのだが、早く駆除してくれないか、という気持ちになる。


 時々、ばったり出くわしたクマを投げ飛ばした剛の者がニュースになることがあるが、そのほとんどは本州での出来事で、相手はツキノワグマである。北海道のヒグマはそれよりもひとまわり以上体が大きく、足柄山の金太郎をもってしても勝利を収めるのは至難の業である。山中深く分け入っているのならばともかく、日々の生活圏の中で絶えず生存競争に巻き込まれて戦々恐々とするのは、客観的に見れば自然界の摂理だが、当事者にとってみればシャレの範疇を遥かに超える


 箱罠で捕えて山に返すのも一案ではあるが、ひとたび人里を訪れることを覚えたクマがまた同じ挙に出ないとは限らない。行き過ぎた保護が個体数の増加につながれば、このところただでさえ不足気味と言われている木の実などクマの食糧が争奪戦となり、人里へ降りてくるクマは間違いなく増える。基本はおとなしいとされるヒグマだが、ひとたび暴れた時の凶暴性は、過去の三毛別ヒグマ事件福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件などが示している。


Image3  未明の射殺により、藤野墓地の墓参り自粛は解かれたが、付近の山中に生息するヒグマはこの1頭だけではない。出没エリアも、今回は国道230号線から南側の山麓だったが、またいつ何時我が家の近くに現れるかわからない。
 クマった話だなあ、などと思いながらテレビを観ていると、今度は台風のニュースである。九州・四国・本州を直撃する大型の台風10号は、日本海に抜けた後、大きく東にカーブし、札幌を直撃する進路予想になっている。全盛期の岩瀬のスライダーを彷彿とさせる軌道だなあ、などとのんきなことを言っている場合ではない。大きな被害にならないことを祈るばかりである。


 ※参考までに過去記事⇒「シャレにならない」

 

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コメント

おはようございます。いかさま。
熊早々とゆうより遅すぎますね。あんなのが自分の庭でもさもさしとったら、いきたここちがせんですよねー。
確かによく見ると何の罪悪感もなく、人の庭で食事をしてる熊を見ると、かわいい動物に見えて、麻酔銃で眠らせて山へ返せばとゆう風に思えないでもないけど、とにかく凶暴さは変わりないので、駆除されて良かったと思いました。
我が家の庭には、地域猫ぐらいしか訪れませんので、そのような心配はないけど(^^♪

投稿: mitakeya | 2019/08/15 05:34

こんばんは!
一昨年、知床へ行った時に、ヒグマに遭遇できずに残念、写真を撮りたかったのにと思っていましたが・・・。
つい先日、書店の平積みで「慟哭の谷(木村盛武 著)」を見かけ、カバーのヒグマの写真に惹かれて購入。
読み終えて、背筋が凍る思いでした。
ヒグマの性質等が詳細に記してありましたよ。
なぜ、ヒグマが人を襲うようになるか・・・。
これを読めば、札幌市藤野地区に現れたヒグマは殺処分せざるを得ないことが良く分かります。
既に畑の作物や人家のゴミをあさってましたからね。
麻酔で眠らせて山奥へ返すなんて、既に不可能なんですね。
勉強になりました。
また、知床を訪ねようと思いますが、ヒグマとは出来るだけ遭遇しないように、遭遇しても刺激しないように心がけようと思います。


投稿: FUJIKAZE | 2019/08/15 21:37

 mitakeyaさん、ありがとうございます。
 確かに私たち人間に危害を加えてきているわけではないのですが、一方で人間と異なり言語によるコミュニケーションが取れず、圧倒的な体力を持っている相手でもあります。このあたりは非常に難しいところだと思うのですが、ふと思うのは「保護」というのも非常に人間目線の物の考え方ですよね。命を奪うことに比べれば罪は軽いのかもしれませんが、クマの一生をそうしてコントロールする発想も、基本的には同列なのではないか、という気もします。

投稿: いかさま | 2019/08/22 00:26

 FUJIKAZEさん、ありがとうございます。
 今日の地元新聞に掲載されていましたが、この1週間で札幌市に対し、530件の意見が寄せられ、うち半数以上が駆除反対あるいは抗議の意見だったそうです。その大半は道外からのものだとも記されています。
 FUJIKAZEさんが読まれた「慟哭の谷」は三毛別羆事件の話ですね。私はまだ読んでいないのですが、こうした情報から冷静な目で判断をしていただけることをありがたく思っています。
 札幌市のホームページにも「最大のクマ対策は会わないようにすること」と書かれています。難しいことですが、お互いの領域をこれ以上侵さないことも対策の第一歩なのでしょうね。

投稿: いかさま | 2019/08/22 00:37

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