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2019/09/29

明日の見えない鉄路の旅【4】留萌本線の憂鬱

 これまでの経過はこちら⇒ その1 その2 その3


 JR北海道の路線・区間の中で、輸送密度ワースト1位の札沼線(北海道医療大学-新十津川)から始まり、ワースト2位の根室本線(富良野-新得)の東鹿越まで往復して、再び私は滝川に戻った。これから目指すのは、ワースト3位留萌本線である。


Rumoi  留萌本線の2018年度の輸送密度は145人/km/日。2016年12月に不振の著しかった留萌-増毛間16.7kmを廃止したが、苦境が続いている。列車の本数も1日8.5往復と少ない。滝川から留萌へは函館本線で深川乗り継ぎが常套手段だが、この時間は特急列車の間隔も空いており、接続も悪く、留萌着は17時を過ぎ、札幌への帰着も遅くなる。


 そこで滝川駅前から14時25分発の北海道中央バス「高速るもい号」に乗り込んだ。札幌と留萌を道央自動車道経由で結ぶ「高速るもい号」は1日9往復、うち4往復が滝川駅を経由する。留萌までの所要時間は1時間15分。留萌発16時17分の深川行き普通列車に余裕で間に合う。フリーパスがあるのに1,600円のバス運賃の投資はもったいないが、時間には代えられない。


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 滝川駅前から乗り込んだ2人を入れても10人余りと空いているバスは、国道451号から275号を経て、北竜町の碧水から国道233号に入る。深川留萌自動車道が留萌市街の手前、大和田まで伸びているが、そちらを走るまでもなく、交通量も少なく快適な道のりである。おまけにリクライニングシートで空調完備、無料でWi-fiまで使える。国道にほぼ並行して走る列車は分が悪い。


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 留萌市内の停留所で少しずつ乗客を降ろし、定刻より少し遅れて15時45分頃、留萌駅近くの留萌ターミナルに到着。留萌駅までは200mほどである。
 列車本数に反して立派な留萌駅の待合室には、立ち食いそばコーナーがあるがあいにくお休み。それでも駅近くにはコンビニもあり、食事ができそうな店もいくつかある。滝川駅前よりもよほど駅前らしい雰囲気が漂っている。


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 運転本数が極端に少ないが駅員が配置されており、列車発車の5分ほど前に改札が始まる。昭和の香りが残るホームに出て増毛方面を望むと、線路はホームの少し先で切られ、その奥には重機の姿が見える。草生した線路跡はあと何年かのうちに野に還り、武骨な鉄橋もいずれ解体されて痕跡をとどめなくなるのだろうか。


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 深川行きの普通列車は一部転換シートを備えたキハ54形1両。20人ほどの乗客が埋めている。国鉄末期に製造されたこの車両に冷房は付いていない。窓を大きく開けて風を受けながら景色を楽しめるのは、私たちにとっては無上の喜びだが、一般の乗客には評判が悪いだろう。座席と窓割も合っておらず、席によっては壁が真横に来て景色さえ見えないところもある。


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 留萌本線の最高速度は95kmになっており、札沼線と比べれば快調な走りではあるが、並行する国道のクルマの流れも順調で、はるか遠くに見える高架の深川留萌道はなおさらだろう。駅ごとに停まる列車は、全区間で馴らすと平均速度は50km/hを下回る。峠下で下り列車と行き違い。あちらも同じキハ54形1両である。


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 軽い上り勾配で振興局境を越え、NHKの朝ドラ「すずらん」で一時多くの観光客が訪れた「明日萌駅」こと恵比島。木造の味わい深い駅舎の待つ駅で乗り降りする客はなく、ひっそりと佇んでいる。石狩沼田で地元客を5人ほど乗せ、広い水田地帯を駆ける。夕暮れが近づき、いっそう黄金色のコントラストが映える田圃では、収穫作業も始まっている。


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 難読駅の秩父別(ちっぷべつ)、北一已(きたいちやん)を過ぎて、17時15分、深川着。30人に満たない乗客がホームに降りた。輸送密度の数字が表すとおり、札沼線・根室線と比べると乗客はいくらか多いように感じたが、それでも少ないことに変わりはない。地域間流動はともかくとして、札幌方面へ都市間移動の手段としては、高速バスの方が設備・本数において優位で、時間的にも大差はない。


 2018年度の留萌本線の営業損益は6.4億円の赤字。今後の設備維持費用などを考慮すると、路線存続のためには年間9億円の自治体負担が必要になるという。JR北海道は札沼線末端区間に続き、根室本線(富良野-新得)、留萌本線もバスへの転換を目指す意向である。今後の動向が気にかかる。



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