« 周遊券の記憶【4】手づくりの一般周遊券(1) | トップページ | 江差線一部廃止問題(4) 地元自治体廃止受け入れへ »

2013/03/27

周遊券の記憶【5】手づくりの一般周遊券(2)

前回から続く。

初めて一般周遊券を使って帰省をした約1か月後、私は大学生活の集大成である旅に出た。
行程は日本一周。北海道から遠い九州・四国・中国地方を中心に、あまたの鉄道路線を1か月かけて乗り歩こうという壮大な計画である。

Map1_2こうした行程の場合、「青春18きっぷ」が大いに役に立つのだろうが、残念ながら冬休みも終わり、発売期間を過ぎている。そこで登場するのが、有効期間1か月、行程自由自在の「一般周遊券」である。
私は約1か月かけて、時刻表をひっくり返しながら行程の作成に取り組んだ。期間が長いため、途中で脱線したり遠回りしそうだが、とりあえず骨格となる行程だけはつくっておかなければきっぷが購入できない。全容を文章であらわすと、書く方も読む方も眩暈がすること請け合いなので、行程の地図を添えておく。

出発から約1か月前の12月下旬、札幌市内の大手旅行会社K社に、この行程表を持ち込み、一般周遊券作成を依頼する。複雑で申し訳ないが大丈夫か、と念を押すが、窓口の係員は、おまかせください、とばかりに受け付けてくれる。けれども数日後、自宅に電話が入り、
経路が複雑すぎて機械で処理できません。
と泣きが入る。機械で発券できないことなど、最初からわかっている。

私は次に大手旅行会社J社に行程表を持ち込んだ。ここは前回、帰省用の一般周遊券を頼んだところである。担当者は行程表を眺め回しながら、
「多分大丈夫でしょう。ただし発券手数料をいただくことになりますが。」
とのたまった。そういえば前回もそういわれたような気がする。金がないから一般周遊券で安く上げようとしているのに、手数料を払わなければならない理由がよくわからない。

結局、このきっぷの作成を引き受けてくれたのは、日本旅行であった。およそ1週間で「できましたよ」と連絡を受け、きっぷを引き取りに伺う。示された金額は、私が計算したのと数百円の差があったが、端数処理や誤差の範疇だろうと、深く追求はしない。手数料はかからなかった。

Arashi0712 Arashi0732
私はこの一般周遊券を握りしめ、1995年1月25日、小樽からの新日本海フェリー「フェリーしらかば」で北海道を発った。山陰から九州、そして四国へ渡り、四国島内のJR線を乗りつぶすために、さらに一般周遊券を1セット追加。都合2セットの一般周遊券を利用して、30日間の日本一周旅行を楽しんだ。39都道府県を通過し、うち18都府県で宿泊、列車210本、バス20本、航路4本、延べ距離8,800kmを駆け抜けた壮大な旅であった。

2_2私自身「最後の長い汽車旅」と名付けたこの旅の話は、いずれ時機を見てゆっくりご紹介したいと思っている。私はその15年後、会社の研修制度という形で2ヶ月間に渡ってアメリカ・ヨーロッパ流浪の旅に出ることになる。日数の上ではこちらの方が倍ほども長いが、自分自身の手による自分自身のための旅、という意味合いでは、私の中に最大級の記憶を残した。
その時代、その土地それぞれの鉄道の姿もさることながら、普賢岳噴火から数年を経て土石流の痕跡が残る島原半島、友人に勧められて歩いた阪神・淡路大震災1か月後の神戸市街地の風景は、今も鮮烈な印象をもって脳裏に焼きついている。


周遊券の話、これにておしまい。

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 周遊券の記憶【4】手づくりの一般周遊券(1) | トップページ | 江差線一部廃止問題(4) 地元自治体廃止受け入れへ »

鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

旅行会社の提示した手数料の額が気になりつつ(笑)。日本旅行、私は毎回、ワイド周遊券買っていた旅行会社だと思います。当時住んでいた駅の隣のビルにあったため。
新日本海フェリーも懐かしいです。フェリーしらかば、まだ現役なのかな?ニューあかしあ、フェリーらべんだあ あたりにお世話になりました。
ちなみにトラベラーさんが出航された同じ頃、私は大阪南港から沖縄に向かう船に乗ってました。

投稿: サンライズ | 2013/04/04 14:33

>サンライズさん
いつもありがとうございます。
はっきりとは覚えていませんが、金額の5%程度を請求されたのではないかと思います。手数料は取るところ、取らないところがあったようで、どうせなら取られないに越したことはない、と思って旅行会社を梯子した記憶があります。

フェリーしらかばはまだ現役ですね。昨年末に20年ぶりに乗りました。

投稿: いかさま | 2013/04/07 23:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 周遊券の記憶【5】手づくりの一般周遊券(2):

« 周遊券の記憶【4】手づくりの一般周遊券(1) | トップページ | 江差線一部廃止問題(4) 地元自治体廃止受け入れへ »