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2013/11/08

「ブルートレイン」が死語になる日

11月7日の各新聞紙面には、「ブルートレイン廃止」の文字が踊った。

寝台特急の現状については、昨年の春以降何度か当ブログにも書いた。
寝台特急の思い出【1】 【2】  【3】

P1045434JR発足直後の1987年に24往復を数えた寝台特急の運転本数は、新幹線の延伸や在来線の高速化による旅客減により、1994年頃から削減が本格化した。
現在、毎日運転されている寝台特急は、
サンライズ出雲・瀬戸(東京-出雲市・高松/電車)
あけぼの(上野-青森[上越線・羽越本線経由]/客車)
北斗星(上野-札幌/客車)
の3往復だけになっている。変則運転の「トワイライトエクスプレス」(大阪-札幌)、「カシオペア」を含めても、わずか5往復である。

各紙の伝えるところによると、これらの列車のうち、「あけぼの」が来年春、「北斗星」が2014年度末、「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」が2015年度末で廃止となる方向で検討されているという。

要因は大きく3つに集約される。
第一に、先にも述べた旅客の減少。昼間の移動が高速化、かつ快適化したことと、地方の宿泊施設の整備が進んだことで、積極的に夜間に移動する理由はかなり薄れている。新幹線が並行する区間では、この影響はより大きい。スタート当時は切符の入手が困難なほど人気を博した「北斗星」も、オフシーズンには個室以外は空席が多いと聞く。
夜間の列車走行には、昼間を上回る費用が必要となり、わずか数本のために人員を配置して列車を走らせることも、非効率である。

第二に、2015年度末に予定されている北海道新幹線の函館開業。青函トンネルは新幹線と在来線の併用区間となるが、すでに貨物列車と新幹線電車の速度差によるダイヤ設定の困難さが問題としてクローズアップされている。また、線路を保守整備する時間も必要となり、かなりの本数が走るとみられる新幹線・貨物列車の中に、寝台特急のダイヤを割り込ませる余地は少ない。
そういう意味では「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」の廃止は、北海道新幹線の建設が正式決定した時点ですでに運命づけられていたとも言える。

P1055450第三に、使用車両の老朽化
「北斗星」「あけぼの」「トワイライトエクスプレス」に使用されている客車は「24系」という車両だが、この車両の製造年は、もっとも新しいものでも1980年。すでに33年の車齢を重ねている。電車やディーゼルカーと違い、自身で動力を持たないから、寿命は長くなる傾向にあるが、改造で内装のリニューアルを図っても、老朽化が進行していることは間違いない。実際に乗車してみると、ふとした時に目につく細かなところで、それを感じることができる。

これに比べれば「カシオペア」などは、見た目にも美しく、新しいように感じられる。けれども、意外なように感じられるが、これとて14年の車齢になる。
客車の償却期間は20年だから、「カシオペア」はまだ償却が完了していない。おそらく列車廃止後は、何らかの改造が加えられて、JR九州の「ななつ星in九州」のように、クルーズ列車として残るのではないかと思う。

ちなみに、1997年デビューの「サンライズ」は車齢16年。電車の償却期間は13年なので、償却は完了しているが、こちらは現段階で廃止の動きはない。


私はこの記事を、「ついに来るべき時が来たか」という気持ちで神妙に読んだ。
最近の傾向を見る限り、遅かれ早かれそういう時が来ることは確実だったし、それも時代の流れである。
わかっているけれども、1958年デビュー、「走るホテル」と称された20系寝台特急「あさかぜ」以来の、青い寝台特急、「ブルートレイン」の歴史が、間もなく終わろうとしている。
ブルートレイン・ブームの末期に育った少年としては、このうえなく、寂しい。

参考までに、1987年から現在に至る、寝台特急の運転状況の変遷を表にまとめたので、興味がある方はご覧いただきたい。ここ20年での寝台特急の退潮がよくわかる。

 ⇒寝台特急の変遷(1997-2013).pdf



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鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
ブルートレイン廃止になるんですね。(ノ_-。)
昨今の移動手段は、航空機利用であったり、新幹線や高速道路の充実などで仕方ない面もありますが、寂しいことですね。
自分も学生の頃はよく利用したものです。お金がないときは、急行で23時間あまりで帰っていたような記憶ですけどあの狭い寝台が懐かしいです。o(;△;)o

投稿: mitakeya | 2013/11/08 07:53

こんにちは^^
時代の波には逆らえないということでしょうか。
残念ですね。しかし、若い頃には九州から上京するには
当たり前のようにブルートレインにお世話になりました。
グレードアップした車両に次には是非乗ろうと思って
いたらそれも廃止になって残念な思いをしたものです。
こうなると。。。待ってろよ!七つ星ってね

投稿: ターコイズ | 2013/11/08 10:35

ただいま~
いかさま氏の新幹線乗車指南を参考にしつつ何とか旅行してきました。自由席で行きは良かったのですが、東京発の連休最終日の帰りだけは指定にしておくべきだったと思いました。恐ろしく混んでおりました。名古屋駅で力尽きました・・・が、きしめんを食べたらなんとか復活して(さすがはナゴヤ人ですから)ウチに帰る事ができました。ご声援(?)ありがとうございました。
またまた今日のブログとあんまし関係ない私的なコメントでごめんなさいね~!

投稿: poem | 2013/11/08 18:03

そうですか廃止になるんですか
時代の流れには逆らえませんものね
私も山陰旅行の際乗った記憶があります。
今は夜行バスで・・・と言う人も増えていますものね

投稿: 姉さん | 2013/11/08 18:11

トワイライトエクスプレスも廃止の対象ですか 

息子が乗りたがった時は、人気でBコンパートしか
取れなかったんですが
そんな電車好きだった息子もすっかり「電」がとれ
車好きに

時代の流れでしょうか 

投稿: buzzっち | 2013/11/09 06:24

北斗星も廃止になっちゃうんですね
子どもが小さいときに、個室を2つとって北海道に行きました。
上野でお寿司を買って、車内で楽しく食べて。
また乗りたいなと思っていたのに残念です。

投稿: 瑠璃 | 2013/11/09 21:26

>mitakeyaさん
こんばんは。いつもありがとうございます。

九州からですと利用される機会はきっと多かったでしょうね。「はやぶさ」「みずほ」あたりが多かったのではないでしょうか。
今のB寝台は幅70cm。当時の急行なんかですと幅52cmですから、もはや寝返りも打てないですね。でも、横になって移動できることが贅沢だった時代は、確かに存在していました。時代は変わりましたね。

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:22

>ターコイズさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
ターコイズさんも「はやぶさ」「みずほ」あたりをご愛用されたのでしょうか。私は生れてはじめての寝台特急が、東京-熊本間で利用した「はやぶさ」のB個室でしたので、特に思い出深いです。食堂車やロビーカーもあって、最後の輝きを放っていた時期でした。

「ななつ星」は、非鉄の嫁との間でもしばしば話題になりますが、金の話になるとその先進みません(笑)
寝台列車とはいえ、もはや異質の乗り物ですね。

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:25

>poemさん
おかえりなさいませ。旅は楽しかったでしょうか?
私の浅はかな鉄道知識がいくらかでも役に立ったのであれば幸いです。ただ、東北新幹線のことにだけ意識が行っていて、東海道新幹線のことまでは思いが及びませんでした。申し訳ありません。
旅日記の続きも楽しみにしていますよ。

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:27

>姉さんさん
こんばんは。いつもありがとうございます。

山陰旅行というと「出雲」か、場合によっては「あさかぜ」かな、などと思っていますが、どうでしょう?

山陰のように新幹線と縁の薄い地域へは、今も夜行需要がそれなりにあるようですが、今の寝台設備と運賃・料金を考えると、座席とはいえ、それなりに快適で運賃がきわめて安いバスに乗客が流れるのも仕方がない気はしますね。

でも、「サンライズ出雲」は快適な列車でした。
2016年以降唯一残る夜行列車となる可能性のあるこの列車には、頑張ってほしいものです。

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:29

>buzzっちさん
こんばんは。いつもありがとうございます。

深い緑の車体が印象的な「トワイライトエクスプレス」も、使用している車両は30年超えの改造車ですからね。

でも私にとっては、生まれて初めてA寝台(それも個室「ロイヤル」!)を利用した思い出の列車です。

そうそう息子さん、先日の電話の時に、「昔列車好きだったんですよ」って教えてくれましたね。
そのまま育ってくれればめっちゃウマの合う仲間になったかも知れないのですが、「電車からクルマへ」というのも、自然な流れですね。致し方ありません(笑)

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:33

>瑠璃さん
こんばんは。いつもありがとうございます。
ひとりで乗り込む寝台列車も悪くないですが、家族や友人と連れ立って過ごす夜行列車の一夜は、深い思い出を与えてくれますね。
私も上の坊主と二人で乗った「北斗星」は、強い印象になって残っています。

廃止は1年半後、2015年の3月ごろになりそうです。
まだ時間はありますので、よろしければぜひどうぞ。ただし、廃止が近づくと、またその筋の人々でにぎやかになるでしょうから、お早めに(笑)

投稿: いかさま | 2013/11/10 02:36

おはようございます。
寝台車に乗ったのは2回あります。
1982年中学の修学旅行で大阪から東北へ。
1990年大阪から博多だったかな。
狭いベッドで寝がえりも取れず
眠れなかった記憶があります。
上段はかなり震動を感じました
今思いだすと懐かしいです。
廃止になるの寂しいですね。
もう一度乗りたくなりました


投稿: kasukasu chan | 2013/11/10 08:35

こんにちは。初コメです。
寝台特急、なくなっちゃうんですかぁ・・・。
実は、うちはダンナ&最愛の息子が立派な(?)鉄です(笑)
で・・・息子が幼稚園生の頃、『カシオペア』に・・・。
はぁ~私は、『この金額出せば、近場なら海外に行けるのに・・・』と旅行会社でぼやいたんですが・・・その担当の方に、『男子のロマンですから』と・・・。
ということで・・・カシオペアで北海道から帰って来たことがあります。行きは『ポケモンジェット』で(笑)

今、思えば、とっても貴重な体験をさせてもらったんですね・・・。私は、電車の中で揺れながら寝るのはもう、ごめんですけど・・・

少し前の記事が・・・鎌倉で・・・嬉しいです。こちらにいらしたんですね。見なれた電車やバスですが・・・こうやって、改めて見てみるとほっとするものですね

投稿: ai | 2013/11/10 15:24

昭和が、ドンドン消えていきますね。
11月8日に会社の帰りに上野駅で北斗星を見に行ったら、いつもより写真を撮るかたが多かったです。あけぼのも寝台券プラチナ化しているし、無くとなると急に・・・時間の経過は必然のこと、静かに見送りたいと思います。

投稿: キハ58 | 2013/11/10 21:57

>aiさん
こんばんは。ご訪問&コメントありがとうございます。
そうですか、旦那さまとお子さんが「鉄」とは、ツイてないですね(笑)。旦那さまだけならば一蹴できるのでしょうが、お子さんにせがまれると断れないのが親の弱さですね。

それにしても「カシオペア」に乗れたとは、貴重な体験ですね。我が家も以前から話題には出るのですが、お金の話をすると会話が尻すぼみになります(笑)

9月の江ノ電の乗車は実に楽しかったです。お近くにお住まいなのですね。旅人の気楽さではありますが、こういう風光明媚なところに住んでみたいと、ふと思ったりもします。

よろしかったらまた覗きに来てくださいね。

投稿: いかさま | 2013/11/10 23:41

>kasukasu chanさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
1982年当時の「日本海」というと、三段寝台でしょうか。寝返りを打てない狭さもさることながら、上半身を完全に起こすこともできない低さですね。
でもそれが贅沢な旅だった時代であり、クラスメイトとにぎやかに旅をした貴重な記憶にもつながっていくのでしょうね。

いい歳こいた身体には少々厳しいですが(笑)、そんな旅をもう一度してみたいと、私も思います。

投稿: いかさま | 2013/11/10 23:45

>キハ58さん
こんばんは。いつもありがとうございます。
昭和が消える…まさにそのとおりですね。高度経済成長から後、昭和の終わりまでの旅情あふれる記憶が、またひとつ遠くに去っていくことになります。

「あけぼの」のチケットはすでにプラチナ化しているのですね。「無くなる」となると人が集まるのは常に残念な話だと思いますが、思いはわかります。
1994年、就職活動の帰りに利用した、陸羽東線経由の「あけぼの」を思い出しながら、見送りたいと思います。

投稿: いかさま | 2013/11/10 23:49

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