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2015/03/12

あと1日、あと1年。

 

今日の全国ニュースでは、「トワイライトエクスプレス」最終列車の出発の様子が報じられた。大阪駅では3,500人、札幌駅でも1,000人超のファンが出発を見送ったという。

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 青函トンネル開通に遅れること1年4か月、1989年7月に運転を開始した「トワイライトエクスプレス」。車両こそ1970年代に製造された24系25形客車の改造だが、深い緑色に塗られた車体が異彩を放ち、個室を中心とした寝台車と、雰囲気のある食堂車・サロン車で構成された編成から、豪華寝台特急として人気を博した。特に編成最後尾にあって、シャワー・トイレを備えた2人用A個室「スイート」は、1999年に「カシオペア」が運転を開始するまでは、国内の寝台特急最高峰であり、チケットは入手困難を極めた。

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 私は「トワイライトエクスプレス」に2回乗車したことがある。
 1回目は1991年12月、岐阜の実家への帰省の際に、札幌から大阪までの全区間、A個室「ロイヤル」を利用した。当時は、現在のように飛行機の割引が大きくなく、学割を利用すれば飛行機代とほぼ同じ程度の料金でA個室が利用できた。
 札幌を発車するとすぐ、食堂車のクルーがサービスドリンクを個室に運んでくる。車掌の身のこなしも洗練されており、優越感をくすぐるのには十分だった。赤みを帯びた照明がなんともいえぬ暖かさをかもし出す食堂車での夕食、「サロン・ド・デュノール」と名付けられたサロン車で、乗り合わせた乗客と語る時間も楽しく、22時間あまりの旅はあっという間であった。

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 2回目は1995年1月、これも帰省の際に、札幌から高岡まで、B個室「ツイン」を、大阪出身の大学の友人と2人で利用した。設備は「ロイヤル」とは比べ物にはならなかったが、2段寝台の個室は間口も広くて余裕があり、座席として使用する昼間も、寝台として利用する夜間もゆとりがあった。大学卒業を間近に控えた時期でもあり、友人と大いに語った。
 翌朝、私は高岡で下車し、未乗だった氷見線を往復した後、高山本線経由で岐阜の実家に帰った。友人はそのまま大阪まで列車に揺られていった。彼はのちに「半沢直樹」の撮影現場、學士会館で結婚式を挙げた友人である

 その後、乗る機会には恵まれず、結局これが私の「トワイライトエクスプレス」最終体験になった。この記事を書いている23時現在、札幌行き下り列車は秋田県内、大阪行き上り列車は青森県内を走行中である。26年の「トワイライトエクスプレス」の歴史は、明日、その幕を下ろす

 一方の東の雄、「北斗星」は、明日3月13日出発分をもって、定期列車としての運転を終了する。その後しばらく休み、4月からは「カシオペア」と交互運転の臨時列車となる。編成は「ロイヤル」を組み込んだ豪華客車の車両数を増やし、サロンカーの連結も復活して、東の豪華寝台特急のパイオニアとして有終の美を飾る。
 「北斗星」との数多いお付き合いについては、以前の記事に書いた。ともかくあと1日で、寝台特急の終焉への歩みがまた1歩、進められることになる。

 一方、先週の北海道新聞で、北海道新幹線の開業日は来年3月12日が有力と報じられた。ここしばらく全国規模のダイヤ改正は通勤等に支障の少ない土曜日におこなわれることが多いこと、12日が大安であること、翌週の19日は3連休の初日に当たり影響が大きいことなどが理由として挙げられている。
 正式にはJR各社の調整によって決定されることになるのだろうが、仮にそうなるのだとすれば、北海道に旅客を乗せた新幹線が走る日まであとちょうど1年。去るものがあれば来るものもある。友との出会いや別れと同じような感慨を、私は今抱いている。


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鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

一度は豪華寝台の列車に乗りたい~と、思います。
夫が完全退職をしたら実現したいですね。
日本は車での旅しかしていないので…。
目下 話題の九州に目が。 

投稿: マーチャン | 2015/03/13 10:32

「大人の休日倶楽部」に入会したことだし
これからは列車の旅をやってみようかな

投稿: 姉さん | 2015/03/13 18:15

トワイライトエクスプレス最終号に
感動で号泣での鉄道ファンさんがテレビに
映ってました
やっぱファンにとっては辛い別れ?なのですね

投稿: と~まの夢 | 2015/03/13 18:52

いかさまさん おはようございます。
トワイライトエクスプレスの最終列車のニュースは鉄道ファンのいかさまさんにはやはりかなり寂しいニュースなんでしょうね。ましてや、かなり昔に2度乗車された素敵な経験があればなおさらと思います。
私も学生時代を札幌で過ごし実家が大阪だったのですが、残念ながらまだ青函トンネル開通前ということもあり、実家と札幌との往復は、飛行機のスカイメイト(大学の生協で何故か予約もできたような?)か小樽-敦賀間のフェリーが多かったです。
ただ、一度だけ友人たちと、札幌-函館(ニセコ号?)の夜行列車に乗り、青函連絡船に乗って、時間調整をして、また青森-上野(八甲田号?)という二晩連続の夜行列車に乗った記憶があります。しかもいわゆる直角椅子の2等車両で満席近くて・・・、いかさまさんの優雅な帰省旅行とは隔世の感があります。
その後社会人になって、北海道との往復はもっぱら飛行機になってしまったので、結局、トワイライトエクスプレス、北斗星、カシオペアには一度も乗るチャンスがなく今日に至ってます。よっぽどのことがない限り、後の二つの列車も乗ることがなく終わってしまいそうなのは、少し寂しい気がします。

投稿: Khaaw | 2015/03/14 08:01

2回もですか、凄く貴重な思い出ですね!
エンブレム前の青年・・・さわやかそうですね^^/

投稿: キハ58 | 2015/03/14 21:48

>マーチャンさん
いつもありがとうございます。
長距離移動を楽しむ寝台特急の旅は過去帳入りしそうですが、九州の「ななつ星 in 九州」をはじめ、JR東日本・JR西日本にもクルージングトレインが登場します。私のごとき古い鉄道ファンには微妙ですが、新たな形の旅ができる楽しみは増えそうですね。

投稿: いかさま | 2015/03/15 23:53

>姉さんさん
いつもありがとうございます。
JR東日本のホームページを見ていても、「大人の休日倶楽部」向けにはさまざまな割引切符が用意されていて楽しそうですね。
私が使えるようになるのはまだ先ですが、これまた旅の楽しみを広げてくれそうでいいですね。

投稿: いかさま | 2015/03/15 23:56

>と~まの夢さん
いつもありがとうございます。
列車に別れを惜しむファンの気持ちは十分理解できるのですが、テレビカメラの前で人目をはばからずに涙を流すのもどうなんでしょうね(笑)
たくさんのファンが集まった大阪・札幌駅には、人の迷惑を顧みず自分のポジションを確保しようとする、いわゆる「葬式鉄」の姿もあったようで、このあたり、鉄道ファンのモラルがいつも問われます。

投稿: いかさま | 2015/03/16 00:01

>Khaawさん
いつもありがとうございます。
直近では乗る機会はありませんでしたが、乗車経験があるからこそ、静かに見送ることができたようにも感じます。
「トワイライト」の旅は帰省旅行としては相当贅沢な部類に入りますね。私は趣味の関係で、札幌と岐阜の往復にさまざまな手段を使いました。新日本海フェリーもしばしば利用しましたね。あれも大学生協で割引きっぷが購入できました。

私は逆に「八甲田」や札幌-函館間の夜行(当時ですと急行「すずらん」か普通列車でしょうか)には乗る機会に恵まれませんでしたから、逆にKhaawさんがうらやましく思えます(笑)

投稿: いかさま | 2015/03/16 00:05

>キハ58さん
いつもありがとうございます。
最近ではプラチナチケット化していた列車に2度も乗れたのは幸せかもしれませんね。
写真は若き日の私ですが、一見さわやかそうに見えつつ、微妙に短いズボンの丈がダサさを強調しています。残念です(笑)

投稿: いかさま | 2015/03/16 00:06

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