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2015/04/09

2015春 関東の鉄道乗りつぶしの旅【番外】格安で楽しむ草津温泉

 3月21日土曜日、吾妻線の電車に揺られてたどり着いたのは長野原草津口駅。いつもの旅ならば、ここで引き返して高崎あたりの安いビジネスホテルに転がり込むところだが、せっかくここまできたことだし、日曜日の行程に比較的余裕があることから、草津温泉に泊まってみることにした。長野原草津口駅からは、JRバス関東の路線バスで約30分である。

 草津温泉に限ったことではないが、名の知れた温泉宿では、おひとり様を敬遠するところが多い。統計上自殺者が多いからだとも言われているが、二人以上一部屋が前提の旅館で、おひとり様を泊めればそれだけ儲けが減る、というのが実態だろう。書き入れ時の週末ならばなおさらである。
 もちろん、昨今の旅行ブームの中、おひとり様歓迎の宿もあるが、名の知れた宿ならば週末の宿泊費は私の半月分の生活費にも相当するから、迂闊に泊まればその瞬間の快楽は得られるが、北海道へ帰ってから餓死寸前の生活を強いられることになる。

Dscn4525  そういった中、草津温泉には、おひとり様でも安心して泊まれるビジネスホテル風の宿が何軒かある。私は今回、そういった宿のひとつ、「せんぱく」に泊まった。
 草津温泉バスターミナルから歩いて3分ほど戻ったところにあるこのホテルの宿代は、シングル素泊まり1泊3,800円。部屋は一応バス・トイレがついた、くたびれたビジネスホテル風。床と布団は綺麗だが、壁の高いところには綿埃がへばりついている。決して褒められた部屋ではないが、どうせ寝るだけだし、ほこりだけ処理すれば我慢できないレベルではない。

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 荷物を置いて、ホテルの近くにあるとんかつ専門店「とん香」で夕食を取り、坂道を下って、湯畑へ向かう。湧き出した温泉が木製の樋を伝って流れ落ちる、草津温泉のシンボル的光景である。すでに時刻は20時を過ぎているが、イルミネーションに照らされた周囲の遊歩道には、散歩の宿泊客が大挙して繰り出しており、夜とは思えない賑わいである。カップルや家族連れが大半で、ひとりの客など見当たらない
 湯畑の背後の山上にある光泉寺への階段はキャンドルで飾られている。遠目によくよく見ると、前年のゆるキャラグランプリを受賞した「ぐんまちゃん」である。

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 さて、肝心の温泉であるが、草津温泉には、旅館の日帰り入浴などのほかに、「外湯」と呼ばれる、地元住民のために開設された無料の公衆浴場が20箇所ほどあり、うち3箇所は混雑する週末でも観光客に解放されている。
 まずはそのうちのひとつ、湯畑から歩いて数分の「千代の湯」へ。湯畑源泉から湯を引いている外湯で、日中には草津温泉名物の「湯もみ」が体験できるが、この時間は終了。通常の男湯に入ると、小さな脱衣所と洗い場、そして4~5人でいっぱいになりそうな小さな浴槽がある。
 さっそく素っ裸になって入ろうとするが、湯が恐ろしく熱い。足だけでも10秒と入れておられず、湯船につけて、出してを繰り返すうちに、足が赤い靴下を履いたようになる。何度もチャレンジするうちに、肩まで浸かることができたが、5秒が限界。後からやって来た若者グループともども、ほうほうのていで逃げ出す。ダチョウ倶楽部の気持ちが少しだけわかった気がする。

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 このままでは風邪を引いてしまうから、続いて「地蔵の湯」へ。こちらは脱衣場、浴槽ともに千代の湯よりひとまわり大きく、近くの地蔵源泉から引いている湯は、ちょっと熱めだが千代の湯よりははるかに入りやすい。およそ10分、肩までじっくりと浸かって、冷えた体を存分に温める。地蔵湯の近くには、その名の由来となった地蔵堂と、手軽に利用できる足湯が備えられているが、足だけは先程来必要以上に温まっているので、遠慮しておく。

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 ホテルに帰ってぐっすり休み、翌朝、早起きして再び湯畑へ。早朝からもうもうと湯気をあげる湯畑は、明るいところでみるといっそう壮観。隣接する、湯もみと踊りのみられる「熱の湯」は目下改装中で、4月にリニューアルオープンするという。
 湯畑を囲む柵には、草津温泉に足を記した著名人の名前が刻まれている。田中角栄、佐藤栄作などの近代政治家から源頼朝、日本武尊など歴史上の人物に混じって、「ルシウス・モデストゥス」の名前が見える。草津温泉でロケがおこなわれた映画「テルマエ・ロマエII」の登場人物である。

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 長野原草津口行きのバスに乗る前にもうひと風呂。観光客に解放される3つ目の外湯、「白旗の湯」である。湯畑に面して建っているが、光泉寺の下にある白旗源泉から湯を引いている。昨夜覗いたときには芋洗いのような満杯状態だったが、午前7時はさすがにゆったり。それでも5人ほどの先客がいる。
 千代の湯よりひとまわり大き目の浴槽がふたつ。お湯の温度は「地蔵の湯」よりは熱いが「千代の湯」よりはぬるく、少し我慢すれば肩まで浸かれる。

 草津温泉の源泉はいずれも50度~90度と高温である。配管を伝って浴場や旅館に送られるうちに温度は下がるが、源泉に比較的近いところでは温度が下がらず、「千代の湯」のような熱湯コマーシャル状態になる。一見コミカルな踊りに見える「湯もみ」は、温泉の成分を損なうことなく泉温を下げるための手段であるという。後世まで伝わる文化の発祥にはちゃんとした理由があるのである。


 敷地内に足湯が設けられている草津温泉ターミナルから、8時発のバスで長野原草津口駅へ向かった。滞在わずか12時間だったが、もう一度来てみたいと思わせる温泉地だった。
 ちなみにこの夜使ったお金は、宿泊費3,800円、夕食代1,600円、コンビニで買った飲み物と朝食代500円。入浴料は無料で、〆て5,900円。部屋はともかくとして、この値段で草津温泉の湯を堪能できた、という事実は記録しておいてもよいと思う。


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コメント

草津温泉には東京にいる間に一度は行きたくて、激安を
探して行ったのですが、それでも二人で2万5千円くらいは
したかな? まあ、2食付いてお風呂は流石に草津の湯
だと思いましたけど、おひとりさまでもこんなに安く草津を
たのしめるのですね。流石は旅の達人

投稿: ターコイズ | 2015/04/10 19:46

(^^ノ)♪ノくさーつよいとーこ・・・
w(¬u¬)w ウーウー 熱いんでしょうね温泉。
行って見たいけど、なかなか

投稿: mitakeya | 2015/04/10 20:56

いかさまさんこんにちは!旅、満喫してますね^^
有名な温泉地でもあのようなビジネス風の宿があるのですね。意外でした。
建物も風情があって良いですね。
私は草津温泉にはまだ行った事が無く、一度行ってみたいのですが…
冬場でも40度以下で入浴してる身ではちょっと熱すぎて厳しいですね

投稿: ミミ | 2015/04/12 18:50

>ターコイズさん
いつもありがとうございます。お返事遅れてしまって申し訳ありません。
要するに単純に金がなかった(笑)と、そういうわけなのですが、温泉街とお湯の雰囲気を楽しめればいいということであれば、この過ごし方もありかな、と思いました。
鉄道だけじゃない、というところも、多少見せておきませんとね(笑)

投稿: いかさま | 2015/04/21 07:50

>mitakeyaさん
いつもありがとうございます。お返事遅れて申し訳ありません。
源泉が熱いというのは聞いたことがありましたが、外湯まで来てもこんなに熱いとは思いませんでした。「押すなよ!押すなよ!」という台詞が自然に出ますね(笑)
できれば次回は湯もみも。チョイナチョーイナーと。

投稿: いかさま | 2015/04/21 07:53

>ミミさん
今回の宿はインターネットのホテル予約サイトで「価格の安い順」に並べて発見しました(笑)部屋自体は、まあまあ・・・本文にも書いたとおりです。
鉄道人感覚かもしれませんが、首都圏からでも意外と行きにくい場所にあるのが草津温泉のように思います。山の中をバスで走った先に現れた温泉地がこれ、というのは、なんだか楽しいですね。ミミさんも、ぜひ。

投稿: いかさま | 2015/04/21 07:57

こんばんは!
いいですねぇ草津。
電車に乗る目的を達成しつつ、普通の旅としても満喫できるという有意義な旅ですね。
私も現実逃避できて、美味しいものが食べられるという逃避行が必要な気がします!
しかもかなりのローコストですね。
さすがです!

投稿: ミナゾウ | 2015/04/22 19:35

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