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2015/12/21

2016年3月JRダイヤ改正【1】北海道新幹線への不安

H5_impression_e5_u3_omiya_20110306 来年3月26日におこなわれるJR各社のダイヤ改正の概要が発表された。
 今回のダイヤ改正の最大のトピックは、もちろん北海道新幹線・新函館北斗開業である。北海道新聞など地元メディアでは15日頃から小出しに情報が出ていたが、18日、正式にプレス発表があった。

⇒JR北海道のプレス発表はこちら


 新たに開業する新青森-新函館北斗間には、13往復の列車が運転される。
 うち東京直通は10往復で、残りは仙台・盛岡・新青森発着が各1往復となる。東京・仙台発着の11往復は「はやぶさ」、盛岡・新青森発着の2往復は「はやて」だが、すべてがグランクラス付のE5系またはH5系での運転である。


 東京-新函館北斗間の最速列車は、所要4時間02分で1日3本。要望の高かった3時間台での運転は見合せとなった。
 新函館北斗と函館の間は電化され、快速もしくは普通列車として16往復設定される「はこだてライナー」が、15分~22分で結ぶ。新幹線の接続がない時間帯にも運転されるが、おそらく多客期にはこれに接続する新幹線の臨時列車が運転されるものと考えられる。
 接続列車を含め、東京-函館間は最速4時間29分で結ばれ、朝東京を出れば午前中に函館に到着でき、ビジネスユースもギリギリ可能になる。


Jr281 札幌方面へは、特急「スーパー北斗・北斗が12往復に増発され、日中すべての新幹線と接続する。最速乗り継ぎパターンは、東京発8時20分(はやぶさ5号)→(スーパー北斗11号)札幌着16時04分で、所要7時間44分となる。前後のアクセスを含めても4時間弱で結ぶ飛行機からの転移を期待するのは難しい。


 それより気になったのはダイヤ、とりわけ新函館北斗駅での接続ダイヤである。
 新幹線と「はこだてライナー」の接続は、最短で10分、日中を中心に11分~13分程度となっているが、朝夕の一部の列車に最大で31分待ちとなるものがある。
 また、新幹線と「北斗」の乗り継ぎでは、新幹線→「北斗」で10分~38分、「北斗」→新幹線で20分~35分とかなりのバラツキがある。総じて「北斗」→新幹線の方が長めに取られているのは、単線区間の多い在来線が遅れた場合に新幹線ダイヤへの影響を抑えるためと思われるが、そもそも遅れることを前提としたダイヤのように思えて少々面白くない


 新幹線が東京-新函館北斗間で4時間を切ることができなかったのも安全性と定時性を考慮した結果であるし、貨物列車との共用区間となる青函トンネル内でのすれ違い問題も解決していない。函館-札幌間の特急も以前と比べ30分程度余計にかかるようになっており、今回の改正でも、新函館北斗に新たに停車することによる所要時間増もあろうが、全般にスピードダウンしているように感じられる。


 乗り継ぎ時間の件も合わせて、結果論だが、一連の安全問題がなければ、東京-札幌間は6時間台で結ばれていた可能性がある。7時間台が6時間台になったところで実用性が薄いのは同じだが、せっかくの高速鉄道である新幹線を迎え入れながら、その恩恵を最大限に活かせないでいるのは残念である。


 1日13往復という運転本数も、新幹線としては最少である。時間帯によっては2時間も間隔があくところがあり、このことだけみても、北海道新幹線の需要は他の新幹線に比べて厳しい状況にあることがわかる。
 途中駅である奥津軽いまべつ、木古内への停車本数はそれぞれ14本、16本と、半数以上が停車するが、それが適正かどうかは疑問が残る。現在の利用状況と周辺人口を考えたとき、新幹線駅としては格段に利用客の少ない駅になるのはおそらく間違いあるまい。ちなみに現在(2014年度)、新幹線駅として乗降客が最も少ないのは、東北新幹線・いわて沼宮内駅で、1日16本が停車し、1日平均乗車人員は85人である。


 北海道新幹線の開業まであと100日を切ったが、何となく盛り上がっているのは北海道庁と函館方面だけのような感じで、札幌あたりはどうもいまひとつ燃え上がっていないように感じる。むしろ20日に開業した札幌市電のループ化の方が話題になっている。
 北海道新幹線は、向こう3年間、平均して48億円以上の赤字が予測されている。北海道新幹線が真価を発揮するのは札幌延伸が実現したときだが、延長予定は2030年度とされている。それまで15年、数百億円の赤字を垂れ流しながら、北海道新幹線、ひいてはJR北海道が持つのかどうか、不安である。




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コメント

私は、かかる時間は度外視して
電車の乗り継ぎだけで北海道に行けるのであれば
ぜひ乗って行きたいです
飛行機よりも、電車です
楽しみだわ。

投稿: 瑠璃 | 2015/12/22 22:46

いつもお世話になります。今年はいかさまさんのツッコミに応答するのがやっとこさで、不精なヤツだと思われたかもしれませんね・・・。来年もさらに忙しくなりそうですが、時々はあらわれて不謹慎な事も書いてやろうかと思っておりますのでよろしくお願いいたします。では来年も楽しいTREINライフを満喫してくださいませ

投稿: poem | 2015/12/23 15:26

こんばんは。
なるほど…次に北海道に行く時は新幹線か飛行機かどっちになりますかね~。。
函館なら新幹線を使うかもしれませんね。
料金の差がどのくらいあるかによりますけど。
札幌なら考えるまで無く飛行機になりそう。
どっちかと言うと、札幌函館間を新幹線で結んで2時間弱程度で行けるといいのにって思います。

投稿: ミミ | 2015/12/23 22:25

年間50億の赤字といっても、新幹線使用料(整備新幹線によって得られた利益から、並行在来線の赤字を引いた数字)が約4億ということは、単純計算だと今の在来線の方が約4億赤字額が高いことになります。つまり、どっちにしろ赤字垂れ流しでも、少しは赤字額を減らすことにはなるかと。

あとは、「スーパー白鳥」用の789系を札幌圏に転用することで、電車特急を札幌近郊に集約できるし、そろそろデビューから30年近くなる785系を置き換えられる。「北斗」の所要時間増は、新函館経由で遠回りかつ単線になること、キハ261系の性能に合わせたダイヤになること、そして東北新幹線のダイヤがほぼそのままであることによる、札幌圏ダイヤとの齟齬の問題です。この辺りは今後も調整が必要ですね。

どの新聞もJR北海道が何をしてもネガティヴキャンペーンみたいな記事ばっかり書いてて、実に不愉快。無責任に好き勝手言えるというのは、本当に気楽でいいですよねえ(皮肉)。ローカル線の減便にしても、現状維持だと利用に対して供給過剰だっていうのも理由なんだし、本数を維持してもらえるにはどうすればいいか、真剣に考えないと。車両や設備は自治体が管理して、JRが借りて運行するとかね。極端な話、主要都市圏の通勤・通学需要以外はもはや普通列車は不要と判断されたっておかしくないんだから。1日平均利用者ゼロとか小数点の駅って、残して何になるのさ。

投稿: 龍 | 2015/12/24 01:27

 瑠璃さん、いつもありがとうございます。
 個人的な気持ちとしては私もそのとおりです。時間に余裕があれば鉄路の旅を楽しみたいですね。けれども実際には、経済的な面を考えても航空機を利用する機会のほうが圧倒的に多くなりそうなのが寂しいところです。

投稿: いかさま | 2015/12/25 02:11

 poemさん、いつもありがとうございます。
 poemさんには時々現れていただいて軽く毒霧を吐いていただけるだけで私は幸せな気分になります(笑)こちらの方もちょいちょいお邪魔しては不謹慎な発言(こっちではできないレベルの)もさせていただこうかと思います。来年もよろしくお願いしますね(笑)

投稿: いかさま | 2015/12/25 02:14

 ミミさん、いつもありがとうございます。
 実はほぼ同じことを私も考えていました(笑)時間と距離の関係を考えると、新函館北斗で乗り換えて札幌まで鉄道、という発想にはちょっとなりにくいですよね。この新幹線が本当に真価を発揮するのは、やはり札幌まで延びたときではないか、と考えています。

投稿: いかさま | 2015/12/25 02:25

 龍さん、コメントいただきありがとうございます。
 JR北海道の試算によると、北海道新幹線の貸付料は年間9億円だそうですね。これには現状青函トンネル部分に支払われている4億円が含まれますので差し引き4~5億円が上乗せされると考えてよいと思います。今年開業した北陸新幹線・長野-金沢間の貸付料が2社合計で245億円ということを考えると、距離を考慮しても北海道新幹線の開業による受益レベルは相当厳しいということが言えそうです。
 
 「北斗」の所要時間増についてはご指摘のとおりですね。ただしダイヤの設定については、新幹線接続特急という性格を持たせる以上、もう少し配慮すべきだったのではないかと思っています。

 後段のローカル輸送については同感です。これは以前にも書いていますが、鉄道維持を最優先に考えるあまり、総合的な交通政策への視点を欠くきらいがありますね。地域輸送の中で、それが本当に鉄道を必要とするものなのか、ローコストで地域住民の足を確保する良策はないのか、もっと真剣に論じられていいと思います。

 新幹線にせよローカル線問題にせよ、安全への取り組みをなおざりにしてきたことに対してJR北海道を擁護する余地はありませんが、国の政策によって大きく左右される鉄道を取り巻く環境の中で主体的に立ち回れないことに関しては、JRに対して同情すべき余地はあると考えています。

投稿: いかさま | 2015/12/25 03:00

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