« JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【2】道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」などの見直し | トップページ | 2009年世界の旅【24】ナイアガラへの旅(4) 霧の乙女号で滝壺接近 »

2016/01/14

JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【3】「Sきっぷフォー」の廃止と指定料金の見直し

 「JR北海道 料金・きっぷの見直し実施」の続き。
  ⇒【1】北海道新幹線関連
    【2】道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」の見直し



2.「Sきっぷフォー」の廃止

 道路事情の良い北海道では、JRの特急列車と高速バスとの競合が激しい。特に道内1・2の都市である札幌と旭川の間の状況については、以前の記事 でも書いた。
 国鉄時代から引き続き、JR北海道は、鉄道の得意分野とされる都市間輸送でのシェアを確保するため、特急列車の増発と高速化を追求し、同時に料金面でも、安価な高速バスの運賃を念頭に置いた設定を迫られた。


 「Sきっぷ」は、往復利用を前提に、普通運賃に毛が生えた程度の値段で特急自由席を利用できる。高速バスより高めではあるが、かなり競争力のある価格設定となっている。
 さらに、リピーターの利用を促進するため、4枚綴り・3か月有効の「Sきっぷフォー」も設定されている。こちらは回数券タイプなので、有効期限内であれば使用方向の制限はない。例えば旭川から札幌へ行きはバス、帰りはJRというような使い分けも可能である。


 今回、割引きっぷ見直しの一環で、「Sきっぷフォー」が廃止される
 往復利用の場合、「Sきっぷ」と「Sきっぷフォー」2枚分の価格差はわずか100円なので、この負担増は差ほど大きな問題ではない。問題は、「Sきっぷ」の場合、往復利用が前提になっていることと、有効期限が6日間に制限されることである。
 これによって、例えば札幌への行き帰りでバス・JRを使い分けることができなくなる。また、出張や帰省など、1週間以上空けて往復する場合には使えない。


 「Sきっぷフォー」廃止の背景の一因として、金券ショップでも常時販売しており、片道利用者でも当たり前に購入できる状況が嫌われたこともあるという。
 これについては多少同情の余地がないわけではないが、「青春18きっぷ」のように、1券片で4回分というような発券方式にするなど、回避できる方策は他にもあったように思う。


 JR・バス双方に回数券タイプの割引きっぷが存在することで、利便性・経済性・快適性などさまざまな視点から、乗客側も上手に使い分けをしていたように思われる。私も札幌の自宅へ帰る際、金曜夜の旭川発は空いている高速バス、混んでいる日曜夜の札幌発は比較的快適なJRという使い分けをしばしばする。
 こういう利用層は比較的多いのではないかと思うが、「Sきっぷフォー」の廃止で、経済性の面から往復バスに流れるのではないか。少なくとも私はそうすることになると思っている。


3.指定料金の見直し

 JR北海道の場合、座席指定に係る料金は、特急列車の場合、通常期520円で、閑散期は200円引き、繁忙期は200円増しという設定になっていた。これを通年520円に一本化し、閑散期・繁忙期の区分をなくす
 これなどは「わかりやすく」の典型例と考えてもいいのだが、よく読むと、現在通年310円に設定されている、快速「エアポート」の座席指定料金も520円に一本化されるらしい。


 「エアポート」の指定席、「Uシート」は、料金設定のわりに豪華な座席や、充電用コンセントの完備などで人気が高く、乗車直前では購入できないことが多い。最近の「エアポート」は、自由席がロングシートの車両が増えており、指定席との座席格差は拡大している。
 そういう点から考えれば、おそらく310円が520円と大幅値上げになっても、Uシートが空気輸送になるようなことはあるまい。なかなかしたたかである。


 ところで、今私が住んでいる旭川から新千歳空港まで往復すると、これまでは「Sきっぷ」が6,930円。指定席利用なら通常期片道520円×2で、往復合計7,970円だった。
 3月改正以降、旭川-新千歳空港の「Sきっぷ」は廃止となり、旭川-札幌の「Sきっぷ」5,080円に、札幌-新千歳空港の運賃1,070円×2を加えて計7,220円と290円の負担増。指定席利用となると、直通特急の廃止で520円×2×2が必要となり、往復合計は9,300円と、1,330円の負担増になる。
 利用する頻度がそれほど高いわけではないが、値上げ、と聞いただけで、なんだかなあ、という気分になる。ちなみに6日以内に戻ってこられなければ通常運賃・料金となり、指定席利用で往復12,440円である。 


以上、おしまい。


※≪参考≫JR北海道公式プレスリリースはこちら。
        指定料金の改定についてはこちら。


ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、ポチっとな
にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ  鉄道コム

|

« JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【2】道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」などの見直し | トップページ | 2009年世界の旅【24】ナイアガラへの旅(4) 霧の乙女号で滝壺接近 »

鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
 
新幹線を入れるために弱者切り捨てみたいな雰囲気が否めないような感じですね。
利用者は やはり早く快適に安く(これが大事)ですから
高速バスなどへシフトする方も 当然増えてきますよね。
でも、高速バスは 時間が読めなかったり、
昨日の事故のようなこともありますから 冬の長い北海道では
ちょっと不安も禁じえません。
 
きっと 花mameあたりは言われるがままの料金で乗ってしまうんだろうなぁ。
JR職員以上の卓越した知識は持ち合わせていませんもの ( ´・ω・`)

投稿: 花mame | 2016/01/16 15:40

 花mameさん、コメントありがとうございます。
 JR北海道の経営状況を考えたとき、経営合理化の一方で収入を増やしていく方法を考えなければならないのは間違いないと思います。ただその方法が、これまでJRを選択し、利用してきた旅客を逃がすような方法であってはいけないと思うのです。
 確かにあのスキーバス事故や、以前の関越道バス事故などを思い出せば、バスの安全性に不安は残りますが、程度の差はあれJRもそれは同じですね。旭川あたりでは選択肢が残っている分だけまだいい方なのかもしれません。

 鉄道運賃や料金のことで疑問があればご相談ください。
 いい方法が見つかるかもしれませんよ(笑)

投稿: いかさま | 2016/01/18 00:18

変な言い方だけど、「ただで料金が安くなったと思うのがそもそも間違い」なのかな。いくら公共サービスだからって、タダでいい思いをしようだなんて虫が良すぎる。

バスとの競争のためとはいえ、割引率があまりにも高すぎて全然利益にならない。その結果が一連の合理化に繋がったのかと思うと…。安上がりになったと思っても、結局はどこかでツケを払わなければならないわけで。もちろん、いきなり割引切符を完全廃止するよりは、段階的に割引率を下げていく方がよかったとは思うけど。

特にJR北海道では駅や設備の維持・管理費の負担が重すぎる。バスの場合、道路は国や自治体が建設も管理もしているし、自動車税やガソリン税はあってもJRの負担よりは軽い。船や飛行機も港や空港の管理費は別会社や国・自治体持ちで、運航会社は使用料を払うだけ。鉄道だけ管理費用が全部自腹、というのはさすがにおかしな話ではないでしょうか。

低金利で完全に行き詰まった経営安定基金に新スキームを導入するとか、全線を上下分離方式に移行するとかして、まずJRの負担を減らさないと、根本的に料金を下げるのはまず無理でしょうね。

投稿: 龍 | 2016/03/10 22:20

 龍さん、コメントありがとうございます。
 JR北海道の収益性に問題がある以上、割引率の高いきっぷ類の価格や設定の見直しは不可避だとは思うのですが、それが競争力を著しく削ぐ結果になってはまずいのではないかと思うのです。
 これまで「Sきっぷフォー」が設定されていた区間は、バスとの競合が激しい区間ではありますが、特に札幌を基点とした流動には一定の需要があり、JR北海道の収益的にも貢献していた区間です。龍さんもおっしゃっているとおり、柔軟性の高い割引きっぷを廃止するより、価格の見直しにより収益の改善を図る方が、利用客の逸走を食い止めることができたのではないかという気がします。

 設備の維持を鉄道会社自身がしなければならないというのは鉄道という交通機関の宿命ではありますが、都市圏・都市間の輸送など、専用施設であることによるアドバンテージを最大限活用し、かつ利益を得られる区間もあります。いろんな場面で繰り返し書いていますが、仮に赤字であっても鉄道を残しておくべき合理的な理由が存在するのであれば、そのための柔軟な施策は必要だと思います。

投稿: いかさま | 2016/03/11 00:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【3】「Sきっぷフォー」の廃止と指定料金の見直し:

« JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【2】道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」などの見直し | トップページ | 2009年世界の旅【24】ナイアガラへの旅(4) 霧の乙女号で滝壺接近 »