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2016/11/18

2016年秋・東北乗り歩き【3】これもまた鉄道

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 さて、津軽線の終点、三厩からは、8時07分発の竜飛岬灯台行き外ヶ浜町循環バスを利用する。発車まで時間が少しあるので、駅前を散策するが、付近には商店などもなく、ひっそり。駅から一つ目、三厩駅通りバス停から循環バスに乗り込む。1乗車100円の町営バスは私のほかに一人だけを乗せて走ったが、市街地の細い路地を走るうちに妙齢のご婦人方を7~8人乗せる。どうやら漁港方面へ仕事に出かけるところらしい。


 ところどころ狭まったり広がったりを繰り返し、お世辞にも線形の良いとは言えない国道339号線を走る。時々内陸の集落に立ち寄りながら、龍飛漁港へ。ここでご婦人方を降ろし、元来た道を1kmほど戻ってから、山の上へ向かうくねくね道を登る。


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 三厩駅から約30分、青函トンネル記念館の前でバスを降りる。わざわざ津軽半島の先端までやって来た目的はここである。青函トンネルの本州側の工事基地があったエリアに建てられた記念館の展示自体にも興味がないわけではないが、最大の目的は、記念館が運営するケーブルカー、青函トンネル竜飛斜坑線である。


 竜飛斜坑線は、記念館と、青函トンネルの本坑に並行する作業坑に設けられた展示スペース(体験坑道)を結ぶ、全長0.8kmのケーブルカーである。もともとはトンネル工事の作業員や物資輸送のために建設され、海峡線の営業開始とほぼ同時期から観光営業もおこなうようになった。営業期間は記念館の開館と同じ、4月下旬から11月上旬である。ある種、遊園地のアトラクションのような存在であるが、鉄道事業法に定めるれっきとした鉄道である。運賃は1,000円。


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 記念館でトンネル工事に関する展示物をさらりと眺めた後、9時発の1便に乗車するため、記念館に隣接した青函トンネル記念館駅へ。貸し切りバスでやって来たと思われる年配の男性10数名の団体がすでに並んでいる。私の後からは2組ほどの夫婦がやって来た。係員の案内でホームへ移動すると、オレンジ色の小ぶりな車両が私たちを待っていた。列車の進行方向は扉で封鎖されている。風圧防止のためらしい。


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 発車合図とともに扉が上へあがり、地下へと通じるトンネルが現れた。最大傾斜25%の線路がまっすぐ伸びており、吸い込まれそうな感じである。線路に並行して階段もついているが、こちらは2,000段以上あるとのこと。気が遠くなる。


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 およそ8分で体験坑道駅に到着。海面下140mにある、日本の鉄道で最も低いところにある駅である。厳密には海面下ではなく、真上は陸地である。
 体験坑道駅には案内人の女性が待っており、集団で体験坑道内に展示されたトンネル工事にかかわる作業車や道具などの説明を受けながら進んでいく。記念館駅出発から帰着まで行程の決まった集団行動であり、単独行動はできない。


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 展示スペースが終わるあたりには、ワインがケースに入って保管されている。トンネルが地下ワイナリーの役割を果たしているわけで、地上の売店で購入可能である。
 その先に広がる休憩スペースにはベンチが並んでいる。奥側はトンネル本坑の竜飛定点に通じている。新幹線開業以前は竜飛海底駅として見学下車が可能であり、トンネル側からも竜飛斜坑線を利用することができた。現在は定点の400m手前で閉鎖されているが、緊急時には新幹線を定点に停車させ、このスペースを避難場所として使用することになっている。


 およそ30分の見学後、再びケーブルカーに乗って記念館駅へ戻る。この0.8kmに乗車するために30分バスに揺られてやって来た。目的を達成した以上、早く三厩まで引き返して鉄道の旅を続けたいが、帰りのバスの時間まではまだ1時間半以上ある。



 当分の間、続く。



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コメント

数年前に竜飛岬の先端の先端にある、海峡亭というバラックのような民宿に泊まったことを思い出しました。
そういえば高倉健の「海峡」という映画でこの海底トンネル工事が描かれていましたね。
この斜抗線、ぜひ見てみたいです。

投稿: OKCHAN | 2016/11/18 11:25

20年くらい前に小泊からみちのく松陰道(吉田松陰のたどった道)を歩いて三厩まで行ったことを思い出します。昭文社ツーリングマップルしか持ってなくて、道に迷いそうになったところで軽トラのおじさんが親切に三厩まで送迎してくれたなあ。竜飛海底駅と吉岡海底駅には結局行けなかったので自分も行きたいと思いました。

投稿: かわうそくん | 2016/11/18 20:00

貴重な場所を拝見しました!
灯台や階段国道だけではないのですね^.^/

投稿: キハ58 | 2016/11/20 22:44

 OKCHANさん、コメントありがとうございます。
 「海峡亭」というと、龍飛漁港の先、帯島にある民宿でしょうか。
 海鮮メインの食事も食べられるようで、行ってみたかったのですが、時間の都合で遠くから眺めるだけに終わってしまいました。
 竜飛斜坑線は、何の景色も見えない異質のケーブルカーですが、青函トンネルの歴史と構造に触れることができる貴重な経験でした。機会があればぜひお越しください。

投稿: いかさま | 2016/11/24 02:38

 かわうそくんさん、コメントありがとうございます。
 小泊から三厩というと相当の距離ですね。歩こうとしただけでも尊敬に値します(笑)
 竜飛海底・吉岡海底の両駅は、北海道から近いこともあって、「そのうち行く機会がある」と先延ばししているうちに、私も機会を逸してしまいました。トンネル本線内の定点に立つチャンスなど今後はないでしょうから、残念です。

投稿: いかさま | 2016/11/24 02:40

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 竜飛斜坑線は、鉄道全線完乗を目指してデータの整理をしなければ、おそらく存在すら気付かなかったのではないかと思います。また、この路線がなければ龍飛を訪れることもなかったかもしれないと思うと、感慨深いですね。

投稿: いかさま | 2016/11/24 02:42

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