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2016/12/07

2016年秋・東北乗り歩き【7】昭和の残り香~ふたつの弘南鉄道

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 黒石・中村旅館に宿泊した翌日、10月28日金曜日。あらためて弘南鉄道弘南線から乗り歩きをスタートさせる。


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 昨日は裏口のようなところから出た黒石駅をあらためて正面から眺める。駅前ロータリーは広々と整備されていて、駅舎にはCOOPの店舗も併設されている。中へ入ると、改札口や窓口周りに昭和の香りがほんのりと残っている。国鉄黒石線から転換した弘南黒石線(川部-黒石)が1984年から1997年まで乗り入れていたが、現在は廃止され、弘南線のみの駅となっている。


Dscn5764  始発から2本目、6時20分発の弘前行きに乗車。昨夜と同じ東急のお下がり7000系電車だが、先頭車改造の車両らしく、のぺっとした風貌である。
 車内は高校生を中心に6割方座席が埋まっている。沿線には高校が多く、駅名に冠されているだけでも3校ある。両端の黒石・弘前の高校も含め、弘南線は通学生にとってはなくてはならない足である。けれども現実には少子化と自動車の発達を背景に、弘南線の旅客輸送量はピーク時の3分の1ほどに減少しているという。


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 沿線は刈り取りが終わった田んぼが広がる水田地帯。シーズンには多種の水稲で大きな絵を描く「田んぼアート」も登場する。尾上高校前と津軽尾上の間ではリンゴ畑の中を抜ける。弘前へ向かって進行方向右手に望む岩木山は、平賀の先で電車が大きく右カーブを描くと真正面へと位置を変える。


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 6時49分、弘前着。次に乗る弘南鉄道大鰐線中央弘前駅は、駅から1.5kmほど離れた繁華街近くにある。「えきどてプロムナード」と呼ばれる歩行者道路を抜けて15分ほど、たどり着いた中央弘前駅は、これまた昭和の香りが色濃く漂う駅の風景。改札口周りの造作や、そういえば昔は必ず駅にあったよなあ、というようなベンチ。なんとも懐かしい。


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 駅舎とアーケード屋根でつながったホームへ上がると、木製の柱が屋根を支えている。停まっている電車は7時30分発の大鰐行き。弘南線の電車とは塗色が違うが、同じ元東急の7000系電車である。1965年製造、車歴は半世紀を超える、こちらも昭和の象徴たる電車である。


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 その電車の素性は車内に入ってみるとわかる。随所に継ぎはぎが見える座席の傷んだモケットが車齢の高さを象徴している。天井から下がるつり革は、津軽のリンゴをイメージしたという赤い輪に交換され、葉っぱを模した緑の小さな飾りもついているが、ベルト部分には「東横お好み食堂 東急東横店8階」の文字が残されている。


 2両編成に30人ほどの乗客を乗せた電車は、住宅街の中を走る。こちらも弘南線同様、高校・大学の名を冠した駅が4駅ある。ただ、時間帯の割には学生の乗客が少ないのが気にかかる。弘南線と比べると、大鰐線の旅客輸送量は3分の1程度しかない。2013年には一度、廃止の方針も打ち出されている。のちに撤回されているが、先行き厳しい路線のひとつである。


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 千年を過ぎると住宅が減り、松木平周辺は一面のリンゴ畑。まだ赤い実がついた木が低く枝を広げている。水田とリンゴ畑が交互に現れながら、義塾高校前と石川の間で奥羽本線を乗り越す。中央弘前から30分かけて、大鰐には8時ちょうど着。JRなら12分の距離である。
 JRの駅舎と隣り合って建つ弘南鉄道の大鰐駅は、駅というよりは倉庫のようななんともみすぼらしい建物。弘南鉄道。黒石から弘前を経て大鰐まで、どこまでも昭和の香りがついてくる路線である。




 当分の間、続く。



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コメント

鉄路の先の岩木山、The青森(弘前)の風景ですね^.^/
第二の人生車両たち、まさに昭和の路線です!

投稿: キハ58 | 2016/12/08 22:41

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 こういった写真はネットを拾えばおそらくたくさん出てくるのでしょうが、自分自身で旅に出て自分自身で発見することに楽しみがあるように思います。
 元東急の電車はいたるところでお目にかかるのでやや食傷気味ですが、活躍の場が新たに与えられることはいいことですね。

投稿: いかさま | 2016/12/09 00:02

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