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2017/01/29

2016年秋・東北乗り歩き【10】秋田内陸縦貫鉄道の紅葉

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 10月29日、土曜日。鷹ノ巣駅前のビジネスホテルを7時少し前にチェックアウトして、秋田内陸縦貫鉄道鷹巣駅へ。隣り合って並ぶJR駅は「鷹ノ巣」、秋田内陸線は「鷹巣」と表記が異なるが、地名としての正式表記は「鷹巣」が正しく、「鷹ノ巣」は明治以前の古名らしい。いかにも地方都市の玄関といった風情の鷹ノ巣駅に対し、木のイメージを強く与える鷹巣駅はかわいらしい。


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  鷹巣から角館までの通し片道きっぷは1,670円だが、途中一回下車可能な「片道寄り道きっぷ」は1,800円。土曜・休日だと「ホリデーフリーきっぷ」も使え、鷹巣−松葉間フリーのAタイプと松葉–角館間の普通きっぷを組み合わせて買うと1,470円となり、最も安い。
 10人ほどの客を乗せた小さな単行ディーゼルカーは、蝶ネクタイを締めた駅長に見送られて7時04分に発車。穏やかな農村地帯の中を走って行く。乗客の出入りは少ない。



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 7時58分着の阿仁合で22分の長時間停車。この間に角館からの鷹巣行きと阿仁合止まりの2本の列車を受ける。停車時間中に駅前へ出てみたが、短い駅前通りは静か。かつては阿仁鉱山から産出される銅で栄えたというが、1978年に資源枯渇により閉山。山に囲まれた静かな街である。山には薄く靄がかかり、緑の木々から湯気が立ち上るように見える。


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 阿仁合から徐々に山深くへ入り込んでいく。森吉山のふもとに当たるこの一帯は、「マタギ」と呼ばれる狩人の里であったところ。よくぞこの深い森に線路を引く気になったと思うものだが、乗客はたったの6人。厳しい現実は垣間見えている。萱草の先の大又川橋梁や比立内手前の比立内川橋梁など、紅葉の美しいポイントで減速、肉声放送で案内を流すなど、わずかな客のために精一杯のサービスを提供してくれる。


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 比立内松葉の間は、国鉄時代に赤字線問題で工事が凍結され、第三セクター転換後に開通した新線区間。目に見えて線形がよくなる代わりに長いトンネルが増える。
 松葉を過ぎるとようやく少し山が遠ざかる。9時31分着の八津で久しぶりに対向列車との行き違い。開業当初からのオリジナルカラーに塗られた阿仁合行き列車は、こちらの静寂が嘘のようにたくさんの客を乗せ、最前部にはカメラを構えた人が鈴なりになっている。こちらは結局空いたままの状態で、9時51分、JR田沢湖線との接続駅、角館に到着した。


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 2013年度の秋田内陸線の輸送密度は287人/km/日。1977年~79年の平均で見ると、旧国鉄阿仁合線(鷹ノ巣-比立内)が1,159人、旧角館線(角館-松葉)が284人であった。沿線人口の少ない中間区間が新たに開業したことを差し引いても乗客は大幅に減少している。
 現在の年間の赤字額は2億円を超え、沿線自治体の赤字補填により生き永らえている現状であるが、2015年には秋田県知事が県議会で将来的な廃止も視野に入れた交通機関の再編について言及している。存亡の危機に立つローカル線はここにもあった。
 



 当分の間、続く。



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コメント

昨年、阿仁から打当川をさかのぼり、マタギの湯、というところに行ったのを思い出しました。
秋田内陸縦貫鉄道の阿仁マタギ駅の写真も撮りました。
熊が乗り降りしそうな駅でした。

投稿: OKCHAN | 2017/01/30 11:34

すごくきれいな景色ですね
このローカル線がなくなったら観られなくなるのかしら?
東北の殆どは行ったことがないので、何とか頑張ってほしいなぁ。。。と無責任に思ってます

投稿: と~まの夢 | 2017/02/02 19:56

 OKCHANさん、いつもありがとうございます。
 夏ごろの記事だったでしょうか、拝見した記憶があります。秋田内陸線は両端部は農村地帯でしたが、阿仁合・比立内と非常に山深いところでした。あの雰囲気だったら本当に熊が出てきてもおかしくないかもしれませんね(笑)

投稿: いかさま | 2017/02/05 21:54

 と~まの夢さん、いつもありがとうございます。
 素晴らしい自然の景色を見せてくれるところは、往々にして住んでいる人が少ないところですよね。これまでにもローカル線の廃止でたくさんの絶景が失われてきました。現実は厳しいですが、自治体も一体となって鉄路を守る施策を考えていってくれれば、と思います。

投稿: いかさま | 2017/02/05 21:56

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