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2019/02/15

いかさまさんの平成史 平成5年

 先頃、今年4月の北海道知事選挙に、石川知裕元衆議院議員が立候補を表明した。この人が、小沢一郎議員の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反に関して有罪判決を受けていたことが物議をかもしているが、こうした疑惑の渦中にありながら隠然とした影響力を持ち続けた政治家の代表格が田中角栄である。
 ロッキード事件で逮捕され、有罪判決を受けた後も、キングメーカーとして中曽根内閣まですべての内閣に睨みを利かせた。1986年に脳梗塞で倒れた後は、田中派生である竹下登がこれを受け継ぎ、2001年に小泉内閣が登場するまですべての内閣に深くかかわってきた。


 この田中角栄直系が敵味方に分かれて激しい権力闘争を演じた結果、自民党が分裂、衆議院選挙で過半数割れして下野し、いわゆる「55年体制」が崩壊したのが1993年、平成5年である。この時首相に就任した細川護熙、幹事長として辣腕を振るう小沢一郎、いずれも田中直系である。細川内閣の成立を見届けるようにこの年の年末、田中角栄は亡くなるが、のちに細川・小沢いずれも「カネ」の問題でつまずき、自民党は社会党との連立という奇策を弄してわずか1年で与党に復帰することになる。


 5月に天皇に即位される現皇太子殿下がご成婚され、全国的な凶作でコメ不足が深刻化し、行きつけの食堂のご飯大盛りが廃止となり、時にタイ米が混ざるようになった1993年。この年の秋、大学3年生の私は両親の知人のつてでF-1日本グランプリのチケットを入手し、予選から決勝まで鈴鹿サーキットで観戦した。アイルトン・セナが優勝したのだが、結果的にこれが日本でのラストランとなった。翌年、セナはイモラでのサンマリノGPにおいて壮絶な激突死を遂げる。


 同じ秋、私はやや3年間干上がっていた状況を脱し、新たな青春を見つけて久々に舞い上がった日々を送ることになる。おっとりとした彼女は私にとって癒しの存在であり、付き合っている間、一度も大きな声を出して喧嘩した記憶がない。
 中古で買った赤いファミリアで彼女を家の前まで送り、ブレーキランプを5回点滅させようとして車をエンストさせたり、森田童子の「ぼくたちの失敗」を聴きながら自分は失敗しないぞと言い聞かせたりしながら、別の世界に来たかのように充実した日々を送っていた。新加勢大周ならぬ新いかさまの誕生であった。


 一方、鉄道の世界はというと、前年デビューした東海道新幹線「のぞみ」が大増発されて博多に乗り入れる一方、東京-九州間の寝台特急の食堂車が営業を中止し、暮れには特急「ゆうづる」、急行「八甲田」「津軽」といった伝統の列車が廃止、あるいは臨時列車化されて表舞台から姿を消した。
 国鉄分割民営化の際、JRグループ一体となって守るとしていた長距離列車の運転は、押し寄せる不況の波と輸送構造の変化の前に、安楽死の序章が始まりつつあった。私たちが馴染み、憧れてきた列車のこうした状況を横目に見ながら、私の興味が鉄道よりも恋愛に向かうのは、至極あたりまえのことであった。


※平成4年の鉄道新規乗車実績 16.9km(通算13,067.3km)

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コメント

平成5年と言えば入社した年です。八王子の京王堀之内駅前にある寮に入って新宿の本社に通った時の通勤ラッシュは今でも覚えています。5月に配属が決まって日野市の寮に移りましたが当時は寮母さんもいましたね。6月9日は結婚の儀で休み。初ボーナスは10万くらいでしたが、すぐにトレーラーのラジコンで散財。しかもめぞん一刻のLD162000円を分割払いで買ってました。いわゆる大人買いの喜びに浸っていたら、怪しい業者に引っかかり損をすることがたびたびありました。一人暮らしはいろいろ勉強になりました。

投稿: かわうそくん | 2019/02/15 19:34

 かわうそくんさん、いつもありがとうございます。
 私も振り出しは会社の寮でした。
 「めぞん一刻」とは懐かしいですね。私もあの作品は大好きでした。「一日でいいから私より長生きして」というセリフを思い出すと、いまだに胸がキュンキュンします。私もかわうそくんさんも、純朴な青春時代だったのだろうと推察します(笑)

投稿: いかさま | 2019/02/18 23:46

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