« 令和最初のひとり旅【支線5】ゆいレール各駅停車 その2 | トップページ | 近況報告~北海道・3度目の外出自粛の週末 »

2020/03/02

新型コロナウィルス対応に思うこと~ずれている(3)

 世の中はあげて新型コロナウィルス対策一色の様相になっている。2月28日に「緊急事態宣言」が出された北海道では、全国の先陣を切って小中学校の休校が始まっており、週末の札幌都心部からは人の姿が目に見えて減った。公共施設だけでなく、大通地区の百貨店をはじめ臨時休業とする商業施設が相次いだ。


 北海道では3月1日現在、72人の新型コロナウィルス感染が確認されており、3名の方が亡くなっている。クルーズ船内で感染した人を除けば、全都道府県の中でも突出している。
 最初の感染者が出た際、北海道は感染者に関する情報を非公表としたことで道民から批判を受けた。世はインターネットを介した情報社会である。黙っていようが隠していようが、ほんの少し漏れ出した情報は無遠慮に社会に拡散していく。現在、北海道の新型コロナウィルスに関する情報提供は迅速で、十分とはいえないまでもそれなりに充実している。


 こうした情報提供や迅速な動きには、鈴木直道知事の意向も影響しているのだろう。この人は夕張市長時代、JR北海道の経営問題に絡み、いち早く石勝線(夕張支線)のバス転換を決断した人である。さらにその前の東京都職員時代は衛生局や医療・福祉部門で勤務していた。こうした経験と決断力が今回も活きたのだろう。
 26日に発表された小中学校の休校要請についても、保護者や経済活動への配慮など詰めを欠く部分もなきにしもあらずだが、その早い判断は評価されてよい。2月末から1週間(土日を挟むので実質的には約10日間)という休校要請の背景には、3月中旬以降に控えた小中学校の卒業式への配慮もあったと噂されている。


 28日夕方、緊急事態宣言を伝える記者会見で、鈴木知事はテレビカメラと報道陣に向き合い、自分の言葉で話した。話しぶりは時にたどたどしかったが、それはかえって私たちに信頼感を与えた。何とか感染拡大も経済への影響も最小限に抑えたいという意思がはっきりと見えた。「あと1人だけ」と進行役が言って質疑応答が終わった後も、「まだ手を挙げていらっしゃる方がみえるので」と、予定を超えての質問にも応じた。


 一方、29日の安倍首相は、ほぼ全編でプロンプターを見ながらの会見だった。施策にかかわる部分もあったし、そのこと自体は特段否定するつもりはない。だが、国内での発生以来これまでの迷走ぶり、加えて28日に発表された全国の小中学校・高校への休校要請とこれをめぐる混乱、方針は打ち出されているが具体策はこれから、という会見の中身を考えた時、私には空虚な説明にしか見えなかった。「桜を見る会」をめぐる自己中心的な答弁でうんざりしていたせいもあるのかもしれない。「私はやっている感」に溢れた表情も気に入らなかった。


 何より違和感を感じたのは、説明が終わった後の記者からの質問に対する回答だった。回答はあまりに淀みなく、しかも明らかに終始原稿に目を落として話していた。事前に用意されていた質問だったのだろう。そして予定数の質疑が終わると、「予定の時間を過ぎておりますので」という広報官に促されてさっさと退出していった。「まだ質問があります」という記者の声(江川紹子さんだったらしいが)にも全く取り合わなかった。これが事あるごとに「丁寧な説明」を標榜する宰相の対応である。そこには誠意のかけらも感じられなかった。



 政府は1日、増産体制に入ったマスクを買い取り北海道へ供給する方針を示した。鈴木知事からの支援要請に呼応したものと思われるが、一方でマスク不足は北海道だけの問題ではなく、不必要な買い占めや転売により供給が滞っている実態に対する認識もなければその対応策もない。あろうことか、関係のないトイレットペーパーまで品薄になっている。北海道はこのことで、いち早い学校休校要請や緊急事態宣言から一転、ネット上では批判にさらされている。


 感染が拡大する中で、私たちは「次は自分が感染するのではないか」という恐怖にさらされながら日々生活している。会社内でも感染者発生の際の業務体制構築など対応検討が進んでいる。自分がその引き金になりたくないと思うが、そうならない保証があるわけではない。どういうことに注意して、どう対処していったらいいかという疑問と向き合いながら暮らす私たちにとっては、政府の動きはあまりに場当たり的に見える。「桜」隠しのためのポーズかと、穿った見方をしたくもなる。
 官邸や議員会館と国会との間を黒塗りで往復しているだけの人には市井の状況などまったくわからないのだろうな、と悲しく思う。自分の身は自分で守るしかない。買占めに走る民衆の心理は、その思いの裏返しなのかもしれない。



ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、ポチッとな。

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ 鉄道コム

|

« 令和最初のひとり旅【支線5】ゆいレール各駅停車 その2 | トップページ | 近況報告~北海道・3度目の外出自粛の週末 »

日常の旅人」カテゴリの記事

コメント

いかさまおはようございます。
身近に迫った罹患には毎日が緊張の毎日でしょうね。
くれぐれもお気をつけてください。
公立校の(休業と票毛していたけど、あれは原稿の間違いを疑いもなく読んでいただけですね。)休校に伴いコミュティセンターも休館処置をとることになりましたが、まったく休館では住民の方に迷惑がかかるとのことで、午前中のみ応対するようにしました。このように、地域の末端まで波及すような、通達?要望?命令?いずれか解りませんが、あちこち配慮のないままの処置ですね。
蛙にしょんべんかけたことないけど、蛙のつらにしょんべんとは・・・・もう少し自分の意見・考えはないのですかね。ないですね!

投稿: mitakeya | 2020/03/02 10:21

小学校では、金曜日の10時頃教育委員会から校長に通達があって、そこから4時間半で教室の掲示物返却、残った教材のプリント配布(20枚くらい)に給食、掃除がいつも通りあって、ケンカも発生するし、戦場状態でした。休校と一括りにしないで、自治体の判断にして、保護者送迎の自由登校とかもう少し柔軟にしてもらいたかったなあと思いますね。教員は楽でいいんですけどね。

投稿: かわうそくん | 2020/03/02 19:28

コロナバケーション対策でへとへと~!
終息したらどっか楽しいとこいきたいですね。

投稿: poem | 2020/03/13 16:30

 mitakeyaさん、ありがとうございます。
 お返事が遅れまして申し訳ありません。
 今回もどういうわけか土曜日の記者会見でしたが、相変わらずの印象を受けました。前回と比べて質問への対応は配慮したようですが、国民をどうやって守ろうかという具体的な案には言及されませんでしたね。カナダやスペインでは首相夫人も感染しています。まだ他人事と思われているのでしょうか。

 mitakeyaさんも気を付けてお過ごしくださいね。

投稿: いかさま | 2020/03/16 01:35

 かわうそくんさん、ありがとうございます。
 お返事が遅れまして申し訳ありません。
 学校の先生も急な対応で大変だったこととお察しします。あくまで要請と言っていましたが、一国の首相が「要請」と言えばどのような波及があるかはもっと思慮されてもよいのではないかと思いました。
 札幌市では明日から小中学校の分散登校が始まります。まだ感染者の発生が続いている中不安はありますが、もはやなるようにしかならないのかな、とも思います。

投稿: いかさま | 2020/03/16 01:37

 poemさん、ありがとうございます。
 小さなお子さんを抱えるお母さんとしては、今回の一連の出来事は大変だろうなとお察しします。ガス抜きにお付き合いするわけにもいきませんが、早く収束して気楽に動き回れる日が来るのを祈るばかりです。
 気を付けてお過ごしください。

投稿: いかさま | 2020/03/16 01:38

志村けんさん死去の報せに、今まで感じたことのない喪失感に苛まれています。入院してから亡くなるまでがあまりにも早くて、呆気なくて…。ドリフの末っ子「けん坊」も、バカ殿も、ひとみばあさんも、志村動物園の園長も、みんな大好きでした。荒井注さん(71歳)やいかりや長介さん(72歳)よりも若い(70歳)のに、長さんの次がけんちゃんだなんて信じられない。まだまだいっぱい、笑わせてほしかった。残念です…。

投稿: 龍 | 2020/03/30 18:47

 龍さん、ありがとうございます。
 今回、その件について些少ですがしたためました。早すぎる、急すぎる出来事で、心の準備ができません。明日は我が身です。恐ろしい状況になりつつありますね。龍さんもどうかお気をつけてお過ごしください。

投稿: いかさま | 2020/04/03 00:20

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 令和最初のひとり旅【支線5】ゆいレール各駅停車 その2 | トップページ | 近況報告~北海道・3度目の外出自粛の週末 »