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2020/10/18

コロナ下のJR北海道【2】来春減便ダイヤ改正へ

 JR北海道は14日、来春のダイヤ改正に合わせて、列車の減便・臨時列車化をおこなうことを発表した。


 JR北海道は新型コロナウィルスの影響で大幅減収が続いており、同日の島田社長の記者会見によると、2020年度のJR北海道単体の減収見通しは400億円に上り、うち360億円が鉄道運輸収入とのこと。2019年度の鉄道運輸収入は706億円であったから、前年比49%である。島田社長は、「発足以来の厳しい状況で、ダイヤの見直しや設備などの固定費削減に踏み込まざるを得ない」と述べている(北海道新聞)。減便・臨時列車化はその一環である。

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 今回の減便・臨時化については、対象が特急列車から普通列車に至るまで幅広く、これまで減便に縁のなかった札幌圏にも及んでいることが特色である。
 都市間輸送では、札幌~函館間で1往復減便・1往復臨時化、札幌~旭川間で2往復臨時化、旭川~網走間で2往復臨時化、旭川~稚内間で1往復臨時化となる。臨時化と言っても、年間230日程度運休、すなわち土休日中心の運転となる旭川方面の2往復を除けば、函館方面と稚内方面で年間30日程度、網走方面で50日程度と、運休日数はそれほど多くない。函館方面と合わせて、運転本数に変更のない帯広・釧路方面では、基本編成両数が減らされ、5両編成となる。


 札幌圏では平日10本程度、土休日20本程度が減便となる。減便対象には今年のダイヤ改正で増発された快速「エアポート」も含まれている。「エアポート」の減便はコロナの感染拡大の著しかった今年春にも実施されていたが、運行間隔が11分~13分と不定になったところへ減便が重なったことで運転列車の把握が難しくなった。個人的には元の15分間隔、毎時4往復に戻してもよいように思うのだが、どのようなダイヤ構成になるのかは気になるところである。

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 札幌圏以外では、函館本線(滝川~旭川)、宗谷本線(旭川~名寄)、根室本線(滝川~新得・新得~帯広)、留萌本線、石北本線が減便の対象となっており、各線とも10本程度が減便となる。一律に実施されるのかどうかは不明だし、線区によっては区間運転の列車が多数運転されているところもあるが、例えば滝川~旭川間や留萌本線の該当区間で10本減便となると、運転本数は1日4~5往復となる。これはかなりの大ナタである。


 これらのダイヤ改正によるコスト削減効果は約5億5千万円とされている。JR北海道の2019年度の営業費用は1,397億円で、わずか0.4%に過ぎず、焼け石に水ともいえる金額でしかない。けれども、テレワークの拡大による通勤需要の縮小、WEB会議の急激な普及による出張・ビジネス需要の減退、そしてこれまでJR北海道の旅客需要の底上げに大きな影響を与えていたインバウンド需要の減退など、コロナの影響を受けた旅客流動の劇的な変化は、利便性の確保や改善によってはもはや需要の回復が見込めないという判断をJR北海道にさせたということができる。JR北海道の運行路線の中で唯一収支均衡に近い成績を上げていた札幌圏輸送が一転して社内最大の赤字を出す状況になっていることは、会社運営に大きな影を落とすことは必至である。



 JR北海道で一大需要を誇る札幌圏と都市間輸送に大きなメスが入る一方で、これまで赤字の元凶とされてきた地方の閑散路線における路線維持方策に関する動きが停滞していることに対しては、利用者の間でいくらか不満がくすぶっているとも報じられた。そのあたりが札幌圏以外の減便にもつながっているのだろうと思うが、バス転換を求められているいわゆる「赤線区間」においてもこのところ動きが出始めた。そのあたりについては、次回。



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