いい日旅立ち・西へ【準備中】

　「いい日旅立ち」は、先日亡くなった谷村新司さんの不朽の名作である。1978年と言うからもう45年も前の曲なのだが、当時の国鉄のキャンペーンソングとして制作され、山口百恵さんが歌って大ヒットとなった。2003年にはJR西日本がキャンペーンソングとして、歌詞を新たに乗せ、鬼束ちひろさんの歌唱で「いい日旅立ち・西へ」として再起用された。
　この曲は東海道・山陽・九州新幹線を走るJR西日本所属車両で車内オルゴールとしても使用されており、先日話題になったJR東海車両のオルゴール「AMBITIOUS JAPAN!」が引退したのちも健在である。谷村新司さんは、1992年の「三都物語」、2015年の「北陸ロマン」と、JR西日本と縁が深い。


　で、私が今なぜこんなことを書いているかと言うと、今私は、西へ旅に出る準備を進めているからである。
　ここしばらく、まとまった乗り鉄旅に出ていない。最後が2019年暮れの3泊4日で大阪・沖縄・神奈川という強行軍に出た旅である。その翌年、世界はコロナ禍に包まれ、私の本業の方の環境も大きく変わって多忙になった。1日～2日程度、別の用事や出張にひっかけてミニトリップをしたネタで食いつないできた感があるが、これでは「いかさまトラベラー」のタイトルが泣く。


　2018年8月19日に日本の鉄道を全線完乗した後、私の目標は「新たに開業した鉄道はその年のうちに訪問する」となっていたのだが、これが守られたのは2019年だけで、コロナ初期の2020年に富山地方鉄道富山港線が延伸した区間の訪問は翌2021年秋に持ち越された。今年の春に開業した相鉄新横浜線・東急新横浜線はたまたま早いうちに訪問することができたものの、2022年秋に開業した西九州新幹線・武雄温泉－長崎や、今夏開業の宇都宮ライトレールを筆頭に、こまごまとした線路付け替えも含めてそれなりの区間が乗り残したままになっている。


　これらの区間は、宇都宮ライトレールを除くと比較的西日本に集中している。そこでようやく休みが取れそうな時期を見つけて、可能な限り訪問しようと、私は夏頃からひそかに計画を立て始めていた。私の会社では、勤続25周年を迎えると、1年間の期限付きで1週間の休暇と金一封がもらえることになっている。私はこの権利を2020年に得ていたのであるが、コロナ真っ盛りで当然呑気に旅行になど出ることはできなかったから、休暇の取得期限も延長されていた。
　その期限が今年の11月末で切れることになっている。必ず取得しなければいけないわけではないが、権利として戴いた以上は有難く使わせてもらうのが礼儀であろうし、慣れぬ仕事で疲弊している心身のリフレッシュも図りたい。


　当初は11月3日から第2週にかけてを予定しており、飛行機や宿の手配も進めていたのだが、不慮の業務のためにいったん延期せざるを得なくなった。そういえば7年ほど前にも、台風被害の影響で北陸への旅を泣く泣く延期したことがある。業務の方はうまく収斂してくれるか定かでない状況が続いており、貴重な長期休暇の取得も一時は危ぶまれていたのだが、同僚のありがたい配慮もあり、残った仕事はいくらかあるものの、何とか旅立てそうなめどは立った。


　あとは今日の飛行機が無事に飛び立つことを祈るばかりであるが、24日から25日にかけては北日本は大荒れの天気で交通にも影響が出そうだとの予報である。札幌は真冬日。目下最大の敵は天気である。

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