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2024/11/04

ひそやかなる楽しみの果て その2

 衆議院議員総選挙から1週間あまりが過ぎた。結果は、自民・公明を合わせて過半数を割り込むという、与党に対して相当厳しい結果となった。小選挙区制を基本とする日本の衆議院議員選挙においては、今の制度が導入されて以降、これまで与党か野党、いずれかに「過振り」する傾向が顕著だったが、今回、比較第1党と第2党がかなり接近するという状態になったことは非常に興味深い。与党はダメ、けれども野党も全面的に頼りにするには足りない、という状況を如実に表した結果だということができるだろう。


 この選挙の結果についてとやかくいうつもりはないが、毎回恒例、私は今回も投票が締め切られる午後8時をもって一斉に各テレビ局が報じる議席予測の精度を調べていた。普段ならばテレビのチャンネルをいじりながらすべてをメモするのだが、今回は諸事情で自宅にいなかったため、BDレコーダーとリアルタイム配信を駆使しての調査である。

【各局の午後8時段階の議席予測と最終結果】
  自民 公明 立民 国民 維新 共産 れいわ 社民 参政
NHK 153-219 21-35 128-191 20-33 28-45 7-10 6-14 1 0-4  
日テレ 174 24 157 28 37 10 15 1 3 16
(115-236) (19-32) (110-206) (15-42) (25-55) (6-17) (2-17) (0-2) (0-4) (11-18)
テレ朝 200 27 142 27 35 8 8 1 3 14
テレ東
184 25 161 27 36 9 7 16
(154-225) (21-30) (127-188) (22-30) (25-41) (7-10) (7-9) (12-19)
TBS 181 27 159 27 35 10 7 1 3 15
フジ 184 25 161 27 37 9 8  
結果 191 24 148 28 38 8 9 1 3 15

 赤字はピタリ賞、青字は10議席以上外したところを示している。また、前回の全局揃って討ち死に状態を反省したためか、NHK・日本テレビに加えて、今回はテレビ東京も予測幅の提示を始めている。選挙結果は3局とも予測レンジの中に収まっており、いずれも前回ほど手ひどく外した印象はない。


 今回は各局とも「自民・公明合計で過半数割れ」という見方は一致しており、数字の差こそあれ結果とも合致している。議席を伸ばす党、減らす党の振り分けもぶれていない。ただ、このあたりが非常に興味深いところなのだが、今回も前回と同様、どちらかというと「右寄り」の報道の多い局が自民党の議席数を低く見積もっている傾向がみられる。


 議席予測は、世論調査の動向や、期日前投票や当日の出口調査の結果などをもとに、各選挙区の動向をもとに分析して求められるという。今回は、与党第1党・野党第1党ともに党首が交代して状況が読みづらく、野党候補の乱立、選挙日直前の「2,000万円問題」による投票行動への影響など難しい状況が重なった中で、比較的精度としては高かったように思う。それでも結果は御覧のとおりで、数字をピタリと読み当てることが非常に困難であることを証明している。


 「当選確実」の報道も然りで、各局がそれぞれの情報分析をもとに「当確」の報道をするわけだが、このタイミングについても数時間単位で各局の間に差があった。当の候補者たちがどのタイミングで「バンザイ」をするかというと、たいていはNHKが当確を報じたあとであると聞いた。拙速な報道は信用を与えないのである。もっとも、私は過去に(といってもずいぶん昔のことだが)、NHKが当確を打ち出した後でそれをひっそりと取り消すという場面に遭遇したこともあるので、正直あまりお好きでない候補者に当確が出ると、誤報であってくれ、とけしからん願いをかけることもないわけではない。


 前回私は、この議席予測について、「あくまで予測である、と言われてしまえばそれまでだが、お詫びをしろとまでは言わないものの、ここまで大きく外したことに対するコメントが聞かれないのが不思議である。」と書いたが、その思いは変わらない。数字の打ち出すインパクトは大きいが、私たちが知りたいのは大枠での結果がまず第1であって、当たらない予測数値ではない。私の楽しみは半減するが、それでも全く構わない。お祭り騒ぎのような選挙バラエティをみんながみんな繰り広げる必要はない気がする。世の中には選挙が終わってしまえば日本シリーズの結果が気になった人も多かったはずで、某局は中途半端な二元中継などするくらいなら、選挙結果はテロップ表示で十分だったのではないだろうか、とも思う。


 あくまで私見です。


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