流行遅れの。
私の会社は、仕事の性質上、お盆のまとまった休みは設定されていないが、今年は周囲の協力もあり、短い盆休みと有給休暇を組み合わせて1週間の休みをひねり出した。これを使って、大阪の坊主のところと実家に顔を出してくる予定であった。お盆に実家に帰るなど、十数年ぶりのことである。久しく会えていない友人たちに会うこともできる。
はずであった。
8日までびっちり仕事をこなし、自宅に帰った私は、その夜、寝苦しさで目が覚めた。札幌でもこのところ気温の高い夜が続いている。そのせいで深夜に目が覚めることもしばしばであったが、この日は少し様子が違った。全身にだるい感じがある。熱を測ってみると37度8分。それが朝を迎える頃には38度5分まで上がった。自宅にあった、少々期限の切れた新型コロナウィルスの抗原検査キットでテストしてみると、説明書に書かれた15分を待つまでもなく、陽性を示すラインがくっきりと浮かび上がった。
これまで家族がかかってもぴんぴんしていた私だが、疲労がウィルスを受け入れやすくしていたのか、いずれにしても5年目にして初めての新型コロナウィルス感染である。再流行中とはいえ、ずいぶん乗り遅れた初体験である。病院へ連絡すると、簡易検査で陽性だったことと症状から疑いの余地はなく、PCR検査は不要、重症でなければ高価な専用の薬も不要でしょう、とのことで、とりあえず出向いて症状の確認と薬の処方をしてもらうことにする。
この間、当日乗る予定だった大阪・伊丹行きの航空券をキャンセルする。JAL・ANAの場合、感染症等の診断書を提出すれば無手数料で払い戻しを受けられるようだが、今回購入した航空券の払戻手数料は4,500円。診断書をもらうために検査を受ければそれ以上の金額がかかるだろうから、余計なことは考えず、粛々とキャンセル作業を進める。
それから、当日から2泊する予定だった大阪の坊主への連絡と、3件の飲み会のキャンセルである。ここしばらく会っていない仲間とのものを中心に、楽しみにしていたものばかりであるが、これとて無理押しして周りに迷惑をかけるわけにもいかない。
加えて、大阪から岐阜の実家へ向かうに際しては、少し遠回りをして、3月に開業したばかりの北陸新幹線・敦賀-金沢間にも足を記そうとひそかに考えていた。また、大阪でも、北大阪急行・千里中央-箕面萱野間が3月に開業しており、そこへも足を伸ばすつもりであった。してみると1週間の間にずいぶん盛りだくさんでいろいろしようとしていたわけだが、すべてパーである。
不幸中の幸いといえば、規制のために休みを取っていたおかげで、仕事に突然穴をあけることにならなかったことだろう。だが昨年の旅行もそうだったが、今回も連続して日程の変更を余儀なくされ、払わなくてもよいキャンセル料を払って来た。ふらりと休みをとれるような仕事だったら最高なのだがそれほど高等な仕事ではなく、早割やバーゲンでなく通常運賃・料金でふらりと旅に出られるほど懐が潤っているわけでもない。仕方のないことだが、何のために仕事をしているんだろうなあ、という不毛な疑問だけが残る。
私の初コロナは、幸い熱は11日の昼頃には平熱まで戻り、体のだるさも幾分取れて、咳が少し出る程度まで回復するなど、症状としては軽かったといっていいだろう。することのなくなった休みはあと1日である。
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