大雪狂騒曲【1】
本来なら先週の日曜日には、秋の旅の記事をアップするつもりでいたのだが、ニュース等での報道のとおり北海道、特に札幌近郊はなかなかひどい状況になっていて、私も少なからずそこに巻き込まれることになった。
予兆はあった。さかのぼること2週間、1月とは思えない暖かな日が続いた岐阜の実家に帰っていた私は、1月20日朝、搭乗する予定だった中部国際空港17時発のJAL3117便が、北海道の暴風雪予報のあおりで欠航との情報を受け、泡を食って空きのあった13時20分発のJAL3107便に予約を変更した。この便とて状況によっては羽田空港に着陸するとの条件付き運航であったが、天気が相手では気を揉んでも仕方がない。私は当初予定より3時間早く、10時前には実家を出た。普段なら使わない特急「しなの」まで使い、名鉄「ミュースカイ」の乗り継ぎのために階段を奪取し、かつ実家から最寄り駅までの絶妙なバスがあれば、実家から空港までわずか1時間半でたどり着けることを初めて知った。
結果的にJAL3107便は羽田へ引き返すこともなく、ほぼ定刻の15時には新千歳空港に到着。暴風雪の懸念も杞憂に終わったのだが、翌21日、発熱のため学校の寮を追い出された下の坊主が、インフルエンザB型のおまけとともに自宅へ戻ってきた。22日から26日まで、今度は嫁が所用で東京・大阪へ行くことになっており、自宅で一人悠然と週末を過ごす予定だった私の計画は脆くも崩れ、古い友との飲み会の予定もキャンセルせざるを得なくなった。
そして日曜日の朝である。前日までかすかにアスファルトの色が見えていた自宅の駐車場には、長靴の深さほどの白い雪が積もっている。自分一人だったら昼頃からのんびり除雪をするところだが、復調した坊主を旭川へ送り返すためにはまず車で札幌駅まで送らなければならない。すでに午前の時点で、道央自動車道は新千歳空港-札幌-江別東間で通行止めになっており、JRも無ダイヤ状態になっていた。高速バスの運休情報は出ておらず、とにかく早めの便に乗せるのが必要と、私はあわただしく除雪をして坊主を乗せて自宅を出て、途中昼食をとりつつ札幌駅へ向かった。
ところが市内中心部に近づくにつれて、さほどでもなかった雪の降り方が激しくなり、道路の状況が一変した。除雪が間に合わない道路は車線が狭まり、残った部分も車が踏み固めた雪でボコボコのガタガタである。トラックがそこらじゅうでスタックして動けなくなっている。
14時近くに札幌駅に到着すると、無情にも午後の高速バスは全便運休が決まったとの情報。JRも運休列車が続発しており当てにならない様子である。あとは今日中の帰寮を断念するか、そのまま車で旭川まで向かうかの二択しかなくなった。市内の状況を見る限り、普段なら1時間足らずの江別東インターまでどのくらいかかるか予想もつかないが、ともかく行ける所まで行ってみようと画策した。
旭川方面への国道12号を敬遠して、南郷通から国道274号経由で北広島市・南幌町を経由するルートをとったのだが、私の車は16時になってもまだ地下鉄南郷18丁目駅付近をのろのろと走っていた。2時間かけて10km進んでいない。ボンネットの上には10cm近く雪が積もっている。そこからさらに1時間かけ、17時ごろにようやく札幌市を抜けて北広島市に入ったが、国道274号も車の流れはきわめて遅い。ここまで来ると、引き返そうにも反対車線も同様の状況を呈しており、家に帰るのにもまた3時間かかったりするのだろうと思うと、この際意地でも旭川までたどり着いてやろうという気持ちになる。
北広島市の市街地の手前で国道を外れるとようやく交通量が少なくなり、南幌町に入る頃には雪もほぼ止んでいた。結局江別東インターから道央自動車道に乗ったのは18時30分過ぎ。札幌駅から4時間半を要した。19時過ぎ、岩見沢パーキングエリアで休憩。駐車エリアには道北バスの「高速なよろ号」が休憩中。喫煙所にいた乗客に話を聞くと、札幌発14時10分の便とのこと。おそらく国道12号を走って来たと思われるが、ちょうど私たちと同じくらいの時間を要してここまでたどり着いている。要はどこを走っても同じ状況だったということである。
そこから先の高速道路は、路面のアスファルトも出ていてすこぶる快適だった。普段ならこの時期、しばしば吹雪で通行止めになったり視界が遮られる美唄付近は、この日は速度制限すらかかっておらず、結局高速道路に乗ってから1時間半弱で旭川鷹栖インターまで到達した。
晩飯を食わせて坊主を寮まで送り届けたのが20時40分頃。これから札幌へ戻る。この時間になっても江別東インターから先、札幌方面への高速道路は通行止めが続いており、帰路はいくらか交通量も減っているだろうと踏んで、岩見沢インターで高速道路を降り、国道12号を走った。
岩見沢市から江別市に入ると一気に雪の量が増え、路面状況も悪くなった。市街地を抜けたあたりから札幌市内に入るまで断続的に渋滞に見舞われたものの、交通量はさすがに減っており、約3時間、23時40分頃には南区の自宅に帰り着いた。ものの1時間ほどで坊主を札幌駅まで送り届けて戻るつもりが11時間のロングドライブになった。途中の雪の降り方や道路状況からして、私が不在の間にどれほどの雪が降ったものかと戦々恐々としていたが、自宅前を覆う雪は10cm足らずで、私は30分ほどでその雪を片付けて家に入った。翌日は仕事だったのだが、家では洗濯や掃除など、やらねばならないことが待ち構えており、布団に入るまではさらに2時間ほどを要した。
この日の降雪は札幌市の中央部から北部・東部と周辺の市に集中しており、次回詳しく書くが鉄道・バスの混乱はその後もしばらく尾を引いている。飛行機の便も当日から翌日にかけて相当乱れた。前週の私と同様、26日の月曜日に大阪から帰ってくる予定だった嫁の搭乗予定便も当日午前に欠航が決まり、翌日1席だけ残っていた関西空港発の便をかろうじて押さえられたと連絡がきた。私の独身のんびり時間は坊主の発熱と予期せぬドライブと全身疲労のために消費され、さらに無駄に1日伸びることになった。
ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、ポチッとな。






最近のコメント