いかさまさんの平成史 平成20年~平成23年
平成16年頃から中国の経済成長を主因として上昇基調にあった原油価格が急騰したのが平成20年である。年明けに70ドル/バレル前後だったニューヨーク原油先物市場における原油価格(WTI先物価格)は、7月11日に147ドル/バレルの史上最高値を記録した。
これに呼応して市中のガソリン価格も上昇、レギュラーガソリンは8月に全国平均で182円に達した。平成19年の参議院選挙で大勝した民主党は、ガソリンに課されている暫定税率の措置延長に反対した。法案は衆議院で可決されたものの参議院で否決され、3月末をもっていったん失効し、衆議院での再可決で5月から復活したことも、ガソリン価格の乱高下に拍車をかけた。
ところが9月、いわゆる「リーマン・ショック」により、原油価格は年末には40ドル/バレルを割り込むレベルまで暴落した。前年一時18,000円台まで回復した日経平均価格も下落が加速、翌年3月には7,000円割れ目前まで下がった。そうした中で平成21年8月の衆議院選挙がおこなわれる。前回、「郵政選挙」で圧倒的多数を得た自民党は目も当てられない大敗を喫し、15年ぶりに下野、政権は民主党に移り、鳩山由紀夫内閣が誕生した。
だが好調なスタートを切った鳩山内閣は、事業仕分けの不調や普天間基地移設問題などでほどなく迷走を始め、首相や小沢一郎幹事長の献金問題などもあり、わずか9か月で総辞職。菅直人内閣で迎えた参議院選挙で民主党は敗北、ふたたび国会はねじれ状態に突入する。そして野田佳彦内閣で迎えた平成22年の衆議院選挙で、今度は民主党が惨敗を喫し、政権は再び自民党に戻る。第二次安倍内閣が組閣され、良くも悪くも政権はようやく安定して現在に至っている。その後の民主党の状況はご承知のとおりである。
このような状況の中、私は以前にもここで長々と書き連ねたとおり、平成20年、21年と続けて海外研修に出る幸運に恵まれた。特に平成21年の2か月間にわたるアメリカ・ヨーロッパでの単独研修は印象的だった。
この研修は新型インフルエンザの流行で出発が1か月遅れた。9月13日、成田からニューヨークへ向かったJAL機内では、そのJALの経営危機問題のニュースが流された。そして9月16日、鳩山内閣発足のニュースを、私はボストン郊外のホームステイ先で、インターネットを通じて見ることになった。円高が進行して90円/ドル前後だったため、かなり余裕のある生活を送ることができた2か月間でもあった。
⇒ 2009年世界の旅 (いかさまトラベラー:世界の旅人)
この研修の年の2月、私は人事異動で6年間過ごした岩見沢から10年ぶりに札幌へ戻り、新築した自宅に収まった。11月に研修から戻ってきてひと息つくのもつかの間、翌平成22年の2月には部署異動と、変化に次ぐ変化が訪れた時期になった。
鉄道趣味の方は、海外研修などのバタバタもあり、若干クールダウン気味に推移したものの、この間に鉄道乗車記録のデータベース化などを地道に進め、比較的仕事に余裕があった平成23年から乗りつぶしに向けた意欲を燃やしていくことになる。それから先はほぼ年1回のペースで旅に出かけることになっていった。
⇒ 2011年夏 九州・四国・中国乗りつぶしの旅
だが鉄道の世界では、平成21年3月、寝台特急「富士・はやぶさ」の廃止により、昭和33年以来50年にわたる東京駅発着の「ブルートレイン」の歴史に終止符が打たれ、若い頃世話になった「大垣夜行」の後身、快速「ムーンライトながら」も臨時列車化された。東北・北海道方面や、四国・山陰地方に向けて夜行列車はまだ多少残っていたものの、歴史ある列車が退場を余儀なくされたことで、夜行列車時代は終焉を迎えたといっても過言ではないように思う。
その一方で平成22年12月には東北新幹線・八戸-新青森が延長開業し、翌平成23年3月には九州新幹線・博多-新八代が開業、ついに青森県から鹿児島県までが新幹線によってつながることになった。
しかしこの記念すべき出来事の前日、3月11日、東北地方を震度7の巨大地震と未曽有の津波が襲う。東日本大震災の発生と、これに連なる福島第一原発事故で大きな被害を受けた地域は、今なお復興途上にある。平成最後の10年間は、地震、豪雨と多発する災害との闘いであったようにも思う。
さて、最後は駆け足になってしまったが、なんとか平成23年までたどり着いた。この翌年、平成24年2月に、私はこのブログを開設している。平成24年以降の私の平成史はブログで振り返ることでご容赦いただくことにしたい。非常に手前勝手のように思われるが、平成回顧は平成のうちに終わらないとどうにもおさまりが悪い気がして仕方がない。
私が青春を駆け抜けた平成は間もなく終わる。次の時代は、私の子供たちが青春を駆けていく。その時代は子供たちにどんな楽しい思い出と、しょっぱいネタを提供してくれるのか、非常に楽しみである。
次の時代、令和はあと数時間でやってくる。
※平成20年の鉄道新規乗車実績 447.3km(通算 20,895.2km)
※平成21年の鉄道新規乗車実績 185.8km(通算 21,081.0km)
※平成22年の鉄道新規乗車実績 1,287.0km(通算 22,368.0km)
※平成23年の鉄道新規乗車実績 1,386.5km(通算 23,754.5km)
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